聖剣の刀鍛冶#1.Knight
- 作者: 三浦勇雄,屡那
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2007/11
- メディア: 文庫
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【ストーリー】かつて悪魔契約という忌まわしい力を使った戦争があったが、今は平穏となった世の中のでも平和な都市が舞台。
主人公(ヒロイン)のセシリー・キャンベルは、そんな平和な都市の治安を守る騎士団に所属する生真面目な元貴族の少女。
彼女は父親から受け継いだ古い剣を打ち直してくれる加治屋を探していた。
ところがある日、今は禁忌となった"悪魔契約"の力をふるう暴漢に遭遇し、剣を折られ、ピンチになったところを
奇妙な形の剣(刀)を使うルーク・エインズワースに助けられ、彼の持つ刀に惹きつけられる。
そして彼は鍛冶屋を営んでいるという・・・
最近4巻が発売されたばかりなのに、もうアニメ化決定の帯が付いていて気になったので一巻から買ってみましたが、予想していたよりもキャラクターの性格がしっかりしていて、すぐに話の中に引きずり込まれました。
元貴族だけあって真面目なセシリー、鍛冶屋らしく頑固で融通の利かないルーク、その二人の間に、ルークの下で住み込みの助手をする無邪気なリサ。
この三人のバランスのとれた会話だけでもかなり楽しいんですが、戦闘のシーンもただ戦況を描写するのではなく、緊迫した雰囲気や戦っている者の緊張感が丁寧に書かれていて、ちゃんと読み手にその空気が伝わります。
さらに、
「こ、子ども臭いというなら勝手にしろ」
「そんなことは言わない。これでも俺は鍛冶屋のはしくれだ」ルークは肩をすくめ、「剣を大事にする奴は嫌いじゃない」
「ルーク!このようなところでそんなことを言われても困る・・・」
「お前の脳はどうやっておれの言葉を変換した」
とか、
「リサはいくつなのだ?」
「歳ですか?たぶん三歳くらいです」
「え」
硬直するセシリーを尻目に、リサは「あ、鳥さんだー」と鳥の集まる原っぱのほうへ行ってしまった。
という具合にセシリーはちょっと天然が入っているし、リサも堅い二人の間で無邪気さを振舞っているので読んでいて飽きないですね〜。
三話からは”魔剣”の少女アリアが加わり、この娘も明るい性格でさらに面白くなるのですが、全員が深いところに大きな問題を抱えているので、簡単な話ではないですね。
物語は、今は禁忌となった”悪魔契約”の力を中心として進んでいきます。それはルーク、リサ、アリア、それぞれの深い部分に関わり、一巻では大体の謎は残ったままになるんですが、一冊でしっかり完結した内容になっているので、一巻だけでも十分読めるようになってます。
予想以上に面白かったので、今後、読んでいこうと思います。