命じて!服従フロイライン

命じて!服従フロイライン (ファミ通文庫)

命じて!服従フロイライン (ファミ通文庫)

【ストーリー】玖鈴梅花【くりんもいか】の大事件その1。科学オタクの幼なじみ・健児に恋している自分に気付いたこと(でも今までさんざんワガママに接してきたから今さら素直になれるわけないじゃない……っていうか健児が鈍感すぎるのよ!)。大事件その2。健児を誘ってデートしたとたん事故死(死んでる間に健児が妙な研究成果で蘇らせてくれちゃったけど……)。大事件その3。蘇生後、健児の命令が必要なカラダになっちゃった……ってどうするのよっ!? 強気に服従、ミラクルラブコメ!!

注意!このあらすじを信じてはいけない!!


あらすじではヒロインがあっさり死んでしまっていますが、このあらすじを信じていると痛い目に遭います!
本全体をみると大体八割以上が真剣な恋愛もので、あとの二割がオカルトというか科学?でしたが、思っていたよりもシリアスな展開に唖然としました。結果としては楽しめたんですがね・・・


まず序盤から後半初めにかけては、幼馴染の荒城健治が好きになってしまったものの、なかなか素直になれない正統派ツンデレ美少女(+ドイツ人クォーター)玖鈴梅花の至極まともな恋愛モノですね。
安っぽいラブコメではなく、しっかりした作りになっているので、ぶっちゃけこのまま続けてもよかったんじゃね?と思わざるを得ないです。

健治が周りの女子に人気が出て動揺したり、自分の気持ちに気付いてくれなくてヤキモキする姿は可愛かったし、彼女が告白する場面は手に汗握るものがありました。うんうん、なんでも「ベ、別に〜なんだからね!」って言わせればいいってものじゃないんですよね!ツンデレは!

最近やったら量産化されて本当のツンデレを見失いがちだけど、これは本物。ツンデレファンでなくともこれは落ちるよ!
セリフを抜粋しようかと思ったけど、これは実際自分で読んでくれないと分からないですよね!

主人公も科学オタクとは書いてありますが、そこまでオタクっぽくはないですね。変に暗い性格ってわけでもないですし、主人公にありがちな鈍さも持っていますが、無理なく自然に感じられる範囲だと思います。なかなかいいヤツで魅力的だと思いますよ。


ただ、物語後半で一気に雰囲気が変わりますね、この作品!
あまりにも恋愛ど真ん中で来ていたので、ヒロインの死がものすっごい重く感じられました。
あらすじを読む限り、主人公があっさりヒロインを死者蘇生!って感じですが、全っ然違うのね!主人公超頑張ってんじゃん!
しかもその死んでしまったシチュエーションとかヤバいって!っつーか悲しすぎるだろ!その展開は!耐性ない人は泣くよ!

蘇生できたものの、怪しい組織は出てくるわ、殺されそうになるわで表紙とあらすじからは想像もできないほどシリアスなんで、ベッタベタな展開を予想している人はちょっと考えを改めた方がいいですね。


確かに面白かったけど、前半と後半のギャップについていけないかもしれない人は多いと思うので、慎重に選ぶことをお勧めします!