創立!?三ツ星生徒会①そのとき恋がはじまった

創立!? 三ツ星生徒会1 そのとき恋3がはじまった (ファミ通文庫)

創立!? 三ツ星生徒会1 そのとき恋3がはじまった (ファミ通文庫)

【ストーリー】生まれながらの不幸体質である向坂恵(♂)。入学早々溺死寸前のところを金魚姿の土地神、水穂様に救われるが、見返りとして学校に生徒を集める案を出せ! と迫られ、テキトーな提案をしてしまう。そして1年後、水穂の神様パワーによる3校合併で誕生した“三ツ星学園”では、そのうちの2校の生徒会長が激しく火花を散らしていた! 2人をなんとかするために、暫定生徒会長・恵の初仕事はなぜか、恋のキューピッド!? もどかしさ爆発、片思いラブコメ!!


うーむ・・・面白言っちゃあ面白いけど、何かが一味足りなかったな〜

主人公の向坂恵は、土地神の水穂様に助けてもらった見返りとして三つの学校が合併した”三ツ星学園”の暫定生徒会長をさせられ、悪い気がたまらないように学校を活発化しなくてはならない。そのためにまず、元生徒会長の二人の橋渡しをしていく、というストーリーなのですが、どうも何かが抜けている感じがしました。

キャラクターに関しては、現代の俗世に染まった土地神・水穂様、霊的なものに敏感な主人公・向坂恵、天然癒し系少女・四月陽菜、一見完璧人間だが、どこかしら抜けている元生徒会長の二人・葛城まどか・鳥越征宏。と、メインに関してはそれぞれ特徴的で魅力もあるんです。

特に元生徒会長の二人とかは最初の印象を見事にぶっ壊してくれたのは良かったと思います。この作者は女性だけあって、女子だけでなく男子にも愛嬌みたいなものを感じられる文章なんですよね。

ブコメは男性作家も面白いけど、”文学少女”シリーズや、とらドラ!など、たまには女性作家を読んでみると、男性作家とはまた違った視点で描かれているので面白いですよね。特に私の女性作家のお気に入りは「GOSICK」の桜庭一樹先生です(といってもGOSICKしか読んだことないんですけどね)。


話を戻して、何が足りないのか考えるとたぶん主人公の主体性かな?
主に二人の元生徒会長の交渉部分では恵(in水穂様)というかほぼ水穂様がやってしまうので、主人公の立場が微妙なんですよね。

前半では特にそれが顕著で、現代の生活にどっぷり浸かってしまった水穂様の突っ込み役というポジションとしてしか認識できなかったんですよ。
なので、ぶっちゃけ水穂様が主人公で恵は相方って感じでしたね。

後半は水穂様に感化されて恵にも生徒会長としての自覚が出てきたし、個人的な感情も生まれてきたのでやっと主人公らしくなったんですけどね。
でも今考えてみると、あえて前半は流されているだけのように見せて、後半で成長したと見せたかったのかも?そう考えれば☆は四つでもいいかな〜

とりあえずこの巻だけで見た場合は種まき要素が強かった感じがしたので、2巻からこの作者の本気を見せてくれるのでしょう。