有川夕菜の抵抗値

有川夕菜の抵抗値 (電撃文庫)

有川夕菜の抵抗値 (電撃文庫)

【ストーリー】「私は貴様らのような連中が大嫌いだ!」転校生である有川夕菜の第一声はクラスをドン引きさせるものだった。彼女は感情が高ぶると発電してしまう体質の持ち主「パラライザー」だったのだ。彼女は過去の事件により、他人を近づけさせないために強気な性格を通していたが、生徒会長・末長はそんなことをお構いなしに夕菜に積極的なアプローチを続けるのだった。こうして、孤独な転校性とちょっと変な高校生たちの物語は始まった。


新作が読みたくなったから買ってみたけど…ちょっとビミョーだったな…

過去のある事件をトラウマに持つ生徒会長末長誠・クラス委員長の浅草千春・クールな副会長一林水彦の三人が、放電体質”パラライザー”を持つが故に、他人との接触を嫌うヒロイン・有川夕菜の心を開いていく物語ということですが、なーんか気に入らなかった。


不満な点はいくつかあるけど、キャラクターが受け入れられなかったのが大きいですね。

特に主人公(?)生徒会長・末長誠

何より彼が気に入らなかったのが大きな原因ですね。
言動は「終わりのクロニクル」の佐山や「フルメタル・パニック(短編集)」の生徒会長とかと同じようなしゃべり方なのですが、あちらと違って全然威厳が感じられず、本当にタダの変な人。

夕菜を助けたいみたなことを言ってるけど、実際夕菜を助けるのではなく昔の恋人を救えなかった自分の罪滅ぼしのために行動しているようにしか見えませんでした。
夕菜を昔の恋人の代役として扱っているようで、それでは夕菜も可哀そうです。

夕菜と末永が喧嘩する場面はずっとイライラしっぱなしでした。
その場面でのセリフ

「ああそうさ、君の言う通りさ。私は確かに能天気で馬鹿で、茜がパラライザーだった事にも全然気が付かなかったさ。だからこうして反省し、あんな事にならないようにと、君に色々言わせてもらってるんだクソ有川!分かるか!」

「私は確かに能天気だ。だが間違っても、最初から塞ぎ込んで、人の話を最初から聞かないような、実に簡単な道を選んだお前何かに!」

いや、もう有り得ないですね、彼。
女子に手を挙げるというのも男としてあり得ませんが、完璧に自分のことしか考えてないです。
「俺はこんなに頑張ってる!だからお前も言うことを聞け!」って完全に一方的な態度ですよね。
人の話を聞かないって、じゃあ君はどうなのさ?
このあと副会長の一林にも同じことを言われますが、副会長もそのことに気が付いていたならもっと早く行動してよ!と突っ込みが入らないのは何故?

担任である長峰先生も、本来ならそういう仕事は先生の仕事のはずなのに、まったく働いてないですよね…。



ラストで末長が学校を変えてみせると言って何とか和解することになりましたが、彼女がパラライザーであるとわかった時点でそういう行動を起こそうよ…。
学校側の動きも何だか余りに一方的でどうもすっきりしなかったな〜。


そんな感じで終始イライラしっぱなしで楽しめなかったです…
終わり方をみるに続編は無さそうですが、もし続きが出ても買わないですね。