六畳間の侵略者!?2

六畳間の侵略者!? 2 (HJ文庫)

六畳間の侵略者!? 2 (HJ文庫)

【ストーリー】突如孝太郎の高校に入学してきた4人(+1)の侵略者と孝太郎の六畳間をめぐる戦い(トランプ)は依然続いていた。定期的に行われるトランプに飽きてきたころ、新たな戦いとして選ばれたのは体育祭の≪部活対抗障害物マラソン≫だった。編み物部である孝太郎は共闘することになった早苗と部活の先輩である晴海と共に真面目に特訓に励む。そんな孝太郎に対し、ティアとキリハは怪しげな動きをみせ、自称魔法少女のゆりかはある組織から追われるのだった。



予想通りと言えば予想通りの展開でしたね。
キャラクター達が六畳間から飛び出し、動き回ってくれるのは面白いんですけど、もはや106号室がほとんど舞台になっていない…w

1巻の時点で十分キャラクター達は十分魅力的でしたが、2巻ではより全キャラクターの魅力を見せつけてくれましたね。


物語は、
相変わらず侵略者の娘たちの目的は106号室を占領することです。しかしその目的はもはや完璧に建前になっていますね。
早苗はもう孝太郎と一緒にいる気満々ですし、ティアに関しては106号室の占領よりも孝太郎を家臣にするという目的が強くなっているように見えます。キリハは前巻同様ほかのキャラクターたちに埋もれ気味で今ではほとんど家政婦のようなポジションです。そしてゆりかの扱いは酷くなる一方w

それでも一応106号室の侵略という目的は続いているらしく、今回はトランプでは無く新たに体育祭の部活対抗障害物競走でケリを付けようという話になります。


いや〜それにしても六畳間から出てくれるだけでここまで面白くなるとは…。やっぱり六畳まではあの人数とキャラの濃さは収まりきらなかったようですね。

外に出た途端、今まで溜まっていたエネルギーが一気に放出されるように爆発的に面白かったです。

前巻のラストで孝太郎の学校に転入してきた侵略者たち。その濃いキャラクターにもかかわらずすぐにクラスに溶け込み、今ではクラスの中心的存在に。

通常パートでは何だか思っていたよりもまともな学園モノで楽しめましたね〜。
予想ではティアが暴走したり、キリハもところ構わず孝太郎を誘惑しそれを見て早苗がポルターガイストのオンパレード、ゆりかはクラスメイトからも痛い子扱い、みたいにもっとハッチャケているかと思いました。


そして今回の部活対抗障害物競争に参加するため各々部活に入部することになるんですけど、一部の人物は入部する段階で笑えましたw

ティアは応援団に入部(という名の占有)して自分専用の親衛隊を作るというところも面白いのですが、何よりゆりかが孝太郎の策略によってある組織に追われるのが爆笑もの。

「この子意外と往生際が悪いですね」
「これも私達の敬愛する里見君の為よ。構うことないわ、連行して」
『ラジャー!』
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

なんでしょう…段々ゆりかが可愛く思えてきます。
あの幸薄さというか、元気に不幸をしているところというか…。例えば、大事な食料を落としてしまった時なんかの反応

「でも拾わないとぉっ!二日も何も食べないでっ、あぁぁぁっ、でもぉっ、でもぉっ、拾って食べたら人としてっ、あぁぁっ、でもでもぉっ、何も食べないで二日は、二日はぁぁぁぁぁっ!!」

ね、可愛く思えてきますよね?

彼女の魅せ場は2巻の終始にわたってあるのでお腹いっぱいになれます!


あと早苗がヒロイン一位の座に近そうだったのが意外でしたね。
予想では晴海先輩かティアあたりが最有力候補だと思ったのですが、どうも読んでいると早苗がかなりのアドバンテージを持っている模様。

実際私には居ないのでわかりませんが、彼女は仲の良い妹という感じがして素直に可愛いんですよね。
ラノベやアニメによくあるベタベタに懐いている妹ではなくて、純粋に妹っぽい可愛さがあります。

胸元のスカーフは斜めに折れ曲がり、スカートに上着の裾の一部が挟まって下着が覗いていた。その上靴下も片方しか穿けていない。服装には比較的無頓着の孝太郎から見ても酷い格好だった。
「もっとちゃんとしろよ、お前…」
『ご、ごめん…てへへへっ』
 早苗は照れ笑いをしながら靴下を穿いていく。その間に孝太郎は早苗の上着をスカートから引っ張り出し、胸元のスカーフを結び直してやった。
『アリガト、孝太郎』
「それは良いんだがな、そもそも何でお前が制服なんか着てるんだ?」
『可愛いでしょ?』

いや、マジでこんな妹がいたら大歓迎ですよ。全国の妹属性の方はぜひ読んでみて頂きたい!



そして肝心の障害物競走の方ですが、やっぱりと言うか色々ハチャメチャでカオスな展開ですね…
ティアとキリハは場違いな策略と戦闘力ですし、孝太郎と晴海先輩は青春まっただ中、孝太郎の親友マッケンジーは大家さんと共に流れ弾に遭い、ゆりかはやっぱり不幸。


何だか大家さんがヒロイン候補から一気にネタ用のサブキャラに格下げられた気もしますが、物語が進むほどその混沌具合は増し、最初から最後までずっとおもしろかったです。…アフロは流石に可愛そうかとw


沢山の魅力的なキャラたちをうまーく扱っているので途中で飽きてきたりすることもなく、一気に読めてしまえる面白さがありました。
そして次巻では何やら不穏な動きがありそうな終わり方ですね。3巻も楽しみに待っています!