じんじゃえーる!2拝目
- 作者: 原中三十四,タコ焼き
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2009/12/01
- メディア: 文庫
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【ストーリー】母神様の言いつけで、普通の高校生として剣児とかえでと同じ高校に通うことになった新米神様の春奈。ところが、剣児とかえでのデートを邪魔してからは二人の関係がギクシャクしてしまう。
さらには春奈は神様として未熟なため、零落れてしまった神様―荒御魂―の市内への侵入を許してしまう。母神様の言いつけで面倒を見ることになっていた剣児は春奈と共に、流行病を起こす荒御魂を封じることに。
●
何だか今回は春奈の立ち位置が微妙になった気がするなぁ…。
前巻で剣児とかえではめでたく付き合うことになったのですが、可愛そうなことにその結果春奈があぶれちゃってます(^^;)
二人が付き合う前だったなら、剣児のかえでに対する気持ちを応援しながらも剣児に惹かれてしまう、という第二ヒロインとしてのポジションがあったわけですが、その三角関係に終止符が打たれてしまった今回、恋人二人に余り物一人みたいな変な関係に…。
でも剣児自身は、春奈に対して面倒を見たりと色々気にかけて若干かえでに対する気遣いが出来てない部分はあっても、ちゃんと「かえでのことが好き」という気持ちに偽りのない行動と態度なので問題は無いんですよねぇ。
かえでだって自分が付き合っているのだからもっと独占欲を出して「私の男に近づかないで!」ぐらい言っても良いところ、事情を察して剣児と春奈が行動することに我慢できるいい子ですし…。
かと言って剣児は春奈の文字通り生命線である以上放っておくこともできないしなぁ。
あ”〜。考えれば考えるほど厄介な関係ですね…。
主人公とヒロインが初めから両想い、というのは最近のラブコメでは珍しいのですけど、それはそれでお互いに好き合っているのに何かとグダグダと長引かせてるラブコメよか、キャラの意志がハッキリしてて良いとは思うんですけどね。
まぁ、付き合ったら付き合ったでこれからの物語をどういう方向に進展させるのか、という問題が出てくるんですが。
春奈様の扱いを含め、そこんとこが今回ちょっと曖昧だったかな〜。
●総合
それでも各キャラは等身大の少年少女らしい瑞々しさですし、三人の関係は思ったよりもサッパリしているので明るいラブコメとして十分読めました。
個人的には剣術部の伊織部長・若松カップルの話がもっと読みたかったなw普段は厳しい部長が彼氏の前でデレデレになるところとか見てみたいです!
あと欲を言えば、剣術や神様関連の詳しい設定と説明は良く出来ているとは思うのですが、その描写をもう少し人物に向けられたらもっと良くなるかな、なんて思いました。
今回荒御魂を封印する(退治する)という展開から作品が変な方向に向かってしまうのではないかと心配になったりもしましたが、そこまでアクション要素は入らなかったので一安心。この作風に妖怪退治は合いませんよね。
今回の荒御魂事件で、信者のいなくなってしまった神様は荒御魂のような存在になってしまう、ということを知ってますます春奈を放っておけなくなってしまった剣児と、春奈とも仲良くしたいと考えるかえで。
この三人の関係がこれからどうなっていくのか気になるところです。
感想リンク
Alles ist im wandel