夜と血のカンケイ。2

夜と血のカンケイ。 2 (電撃文庫 ま 10-2)

夜と血のカンケイ。 2 (電撃文庫 ま 10-2)

【ストーリー】異常なほど健康な高校生・陶原は自身の美味な血をタテにして吸血鬼・夜音をこき使っていたが、前回の事件で入院してしまい、血の味が落ちてしまった。それでも二人のカンケイは相変わらずで、陶原はと夜音は日々、血の味を改善することに勤めていた。が、「勘違いしないでください。あくまで血のため、貴方の血を守るためです」と言って夜音が陶原の学校に転入してきた!
確かに目的は学校に潜む吸血鬼から陶原の血をまもるためだったが、夜音は人間の世界に慣れていないので余計心配するハメに。はたして学校に潜む吸血鬼を見つけることは出来るのだろうか…。

1巻の時は純愛モノだけど薄味でこれからどう化けるか、と期待していた2巻。

良い意味でも悪い意味でも予想を裏切ることはありませんでしたが、作風に慣れたせいか割と楽しめました。
改めて考えてみると1巻の時は変な期待してたから悪かったんですよね。1巻の感想を見直したらそんな気がしてきました。当初考えていたのはコメディ色の強いラブコメでしたが、これはどちらかと言えばほのぼの系のラブコメかな。
それに吸血鬼が登場する割にシリアスや戦闘シーンが少ないので、純粋にラブコメが読みたい方にはおススメです。


そんでもって今回は前巻にも増してのんびりとした雰囲気で和ませてもらいました。

というか夜音と陶原の意地っ張り具合が溜まりませんね!

夜音は陶原の血を守るためと言いつつクラスメイトの清水が彼に近づくと不機嫌丸出しですし、いつものプライドの高さはどこへ行ったのか対抗心バリバリで清水に張り合うところが可愛いです。
人の常識に疎い夜音が心配でついつい過保護になってしまう陶原も、恋愛的に見れば自分自身に言い訳をしてたりとちょっと幼い恋ですが、そこがむしろ初々しくて良いですね。

ツンデレ…とはちょっと違う、あくまで「意地っ張り」という言葉が似合う二人の態度は中々に新鮮でした!


ただちょっと言わせてもらえば清水の夜音に対する反応が鈍かったのがいただけ無かったな〜。

もうどう見ても陶原に好意を持ってるのに、それにしては夜音に付きっきりの陶原に対しての嫉妬だとかが見られないんですよねぇ…。もっとガツガツ行きましょうよ!
キャラとしても魅力的ですし、もう少し積極的に動いてくれれば二人のカンケイにも変化が起きそうなのにもったいない。でも彼女はこれからの展開への起爆剤として使うつもりなのかもしれませんね。個人的にはそうなることを期待。


そうそう、今回初出(?)の部長に関しても惜しいと言わざるを得ません。
同じ部活の部長という清水並に好ポジションな彼女ですが、何でこのシリーズの女子はメインへの対抗馬になろうという気合いが足りないのかと嘆きたくなります…。
フラグが立ってもおかしくないのにまさかの○○○○○だとは…。


フラグが乱立するのもアレだけど、もう少し増えてもいいんじゃないかなぁ。


総合

☆3つ。だけど結構お気に入りかも。

特に突出した魅力は無いかも知れませんが全体的に好きな雰囲気ですね。意地っ張りな二人が時折見せる素直な部分とかは特に。

ストーリーの展開的には何事もなく平和で、逆にこれからの展開が心配です…。

一応今回は学校に潜む吸血鬼を探すことでしたけど盛り上がりに欠けてる感が否めませんでした。
全体の雰囲気が崩れないのは良いんですけどねぇ。ストーリー自体にもう少し魅力が欲しいところ。

まったりとしたシリーズはそうそう大事を起こせない分、ネタが続かないんですよね…。是非とも作者さんには頑張ってもらいたいです。

次の巻も期待しています!