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はぐれ勇者の鬼畜美学-エステティカ-

はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ) (HJ文庫)

はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ) (HJ文庫)

【ストーリー】異世界から帰還した若者を保護する国際教育機関《BABEL》。剣と魔法の世界《アレイザード》より現実世界に戻った鳳沢暁月は、歴史上初の、魔王を倒した《真の勇者》として《BABEL》に衝撃をもって迎えられる。しかも、その傍らに魔王の娘という美少女を従えて……。何から何まで曰くつきの勇者・暁月の、強くてニューゲーム、スタート。


カラーイラストを見ると主人公が悪人に見えて仕方がない…。


異世界から帰ってきた勇者


が同じように異世界から帰還してきた少年たちを保護する教育機関に通うという、ちょっと前に出た電撃文庫の「ぷれいぶっ!」と同じような設定の世界観。ただこっちのメインはファンタジーアクションでした。


色々と複雑な事情がありながらも異世界の魔王を倒して「勇者」の称号を得た主人公の暁月と、魔王の一人娘の掛け合いが面白いです。

暁月は良く言えば堂々とした、悪く言えば大雑把な好青年。異世界では魔法は習得できなかった代わりに気を操って身体能力を大幅に上げたり、相手の体内の気を操ることができる錬環頸気功を扱えるのですが、そんな能力を使ってすることの殆どがセクハラというオープンエロスなところが笑えます。

そしてそんな彼のセクハラに一番被害を被っているのが魔王の娘でありヒロインのミュウこと美兎。
とりあえず彼女に関して言えるのは、ボクっ娘最高!

暁月も言ってましたが、爆裂肢体なのに言葉遣いがボクっ娘というギャップが新鮮ですね。魔王の娘と言う割に全くと言っていいほど邪心が無い純真な性格で、父親の敵である暁月に対してさえ恨みつつも彼のことを理解しようとする優しい心の持ち主。でも暁月のセクハラから自身を守ったり他人を守ったりと気苦労が絶えないという苦労人。

美兎がボクっ娘で度々セクハラ被害を受けるからか、どうも「終わりのクロニクル」の佐山と新庄を連想するなぁ。
暁月はあそこまで変態では無いのですがセクハラの手口が幅広いので、美兎にはこれから強烈なツッコミを習得してくれることを期待してます。


世界観の方も


魔法の研究が進んだ現代。様々な能力を得た異世界からの帰還者たちを集め保護する国際教育機関《BABEL》や、世界各国から選抜した強大な力を持った帰還者たちを囲って世界平和を謳う《コクーン》など複雑になり過ぎない程度に凝っていて読みごたえもありました。


暁月たちが通うことになる《BABEL》は能力の強さに合わせてクラス分けされ、特に強力な生徒は生徒会に所属したり授業で魔法戦闘の訓練があったりとよくある魔法学校と言う感じ。

使用者に合わせて具現化する武器や魔法などの設定も簡潔で良いですね。よくこの手のジャンルにはあるんですが、世界観とか魔法の定義だとか、設定が凝り過ぎると読みにくくなるんですよね。そういう部分でこれは「凝るべき」ところは凝り、「簡潔にすべき」ところで簡潔で読みやすいです。


凝っている部分は


主に人間関係、特に主人公周りがかなり複雑です。異世界では複雑な事情で元の世界に帰らなくてならない事態になり、敵であった魔王には娘を託され、現代に帰ってきてからは彼自身の目的のために色々と障害があったり。


暁月は異世界の勇者ということもあって実力的にはかなりですが、それでも生徒会長にはまだまだ及びそうもないし敵対組織には力押しでは通じなさそうなので、これからは勇者パーティーらしく仲間が増えるような展開になりそうですね。


総合


☆4つでいいかな。


全体的に人物描写も多くて読み応えがありました。
ちょっと暁月が主人公の割に心理描写が少なくて違和感を感じましたが、彼には色々秘密がありそうですし、彼の代わりとばかりに美兎の心理描写が多かったんでこれはこれでありですね。


とにかくこれからいくらでも話を展開で良そうな伏線がいっぱいなので期待が膨らみます。



次の巻も期待しています。




補足


読み終わってから、この作者があの「ギブあっぷ!」の作者だと気付きました…。
あぁ、道理で…。