こいびと以上、ともだち未満 はぶてる彼女

【ストーリー】東京からド田舎に引越すことになった空野雅久斗は、若村長を務める荒ぶる“エセ文学少女”王寺真姫、“芸術は爆発”がポリシーの岡本葉南、自称“(エロ?)本のソムリエ”夏山あおゐ(巫女)など、濃すぎな住人たちにカルチャーショックを受ける。特にイトコの真姫とは同じ家で暮らすことになるのだが、何故かひどく敵視される。果たして雅久斗は田舎の生活に馴染むことが出来るのか―!?田舎的まったり青春ラブコメ


ブコメin田舎


って一言で大体の雰囲気は言い表わせるラブコメ

正義感と気が強くていつも主人公に対してツンツンしているヒロインと同じ家に住み、電波系不思議ちゃんなクラスメイトや巫女なお姉さんとか、正直設定とやってることはごく普通のラブコメなんですけど、主人公以外がみんな方言で未だに男尊女卑な風習が残っていたりしてるだけで結構雰囲気が違いますね。作者の出身地が舞台というだけあって田舎独特の雰囲気がよく出てるように感じました。


同じような設定やヒロインが溢れるラブコメの中では特にこの違いは大いに良いと思います。というより、個人的に方言喋るキャラって大好きなんで是非ともこの作品は応援したい。私個人の印象ですけど、標準語だと作者に余程の腕がないと妙にセリフ臭くなってしまうイメージがあるんですよね。でも方言は標準語よりも生身な感じ。砕けた印象になるせいかな?


舞台はいいのに…


どうも惜しい!
やたらと祖父さんが高圧的で偉ぶってたり、良い意味でも悪い言意味でも結束力の強い田舎の感じが良く出てるのに、肝心のストーリーと展開にそこまで魅せ処がないんだよな〜。

確かに舞台は田舎でトラブルも田舎らしい偏見によるものなんですが、田舎じゃなきゃできない話って程でもないような。
真姫の隠れオタクの話題だって確かに田舎だと都会以上に偏見が強いのかもしれませんが、話がそこまで掘り下げられないんで話の盛り上がりに欠けますし…。
田舎の隠れオタクは大変だ。ってことを作者はあとがきで書いてましたが、それだったらもっとこの話題は深刻に扱うべきだったんじゃないかなぁ。

キャラの属性はツンデレとか不思議ちゃんとか、確かに方言を除けばありふれたものですけど会話文に味が出る分そこまで気にする点ではないと思うんですよ。
むしろ「方言」と「田舎」こそ、この作品の武器なんだから前面にプッシュすればいいのに他でも出来る話の展開にしてしまったのが勿体ない。



総合


☆3つかなぁ。

設定を活かしきれてなくてホントに勿体ない。
もっともっと田舎ならではの話題にしていけば、この作品独自の面白さとかも出てくると思うんで、是非これからの展開に期待したいです。


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