うちのメイドは不定形
- 作者: 静川龍宗,森瀬繚,文倉十
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: 文庫
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【ストーリー】ご主人さまの名前は新井沢トオル。メイドの名前はテケリさん。家事万能のテケリさんですが、たった1つだけ、普通と違っていることがありました。彼女は南極から宅配便でやってきた、不定形メイドさんだったのです――!クトゥルフ神話を下敷きに、日常を愛する高校生と非日常メイドさん、そして逆噴射気味の同級生が巻き起こすハートフル・ラプソディ!
●新しい
ライトノベルレーベルらしいですね。出版社はよく新書で見かけるPHP研究所だそうで。
つまり文倉先生の絵を見つけたらいつの間にか買っていたというワケですよ。
作品の下敷きになっているのはご存知『ニャル子さん』と同じクトゥルー神話。でもニャル子さん程ギャグ寄りでもバトル寄りでもなく、純粋で一生懸命なテケリさんが可愛いハートフルな物語でした。
最初はそれこそニャル子さんみたいにクトゥルー神話のパロディでギャグモノだと踏んでいたんですが、全然そんなことは無かったですね。
ちょっと複雑な事情で一人暮らしをするトオルの下に南極の父親から謎の宅配便が届いて、その中身をお湯で3分温めたらテケリ・(略)と名乗るメイドさんになっていた。
分身・合体したり様々な触手を生やしたりするけれど、明るくて元気一杯、家事も万能のテケリさんにトオルも心を開いて一緒に暮らしていく。といった具合にまったり微笑ましいハートフルストーリー。
●一生懸命なテケリさんが可愛すぎっ!!
うん、もうね、テケリさんがすっごく可愛い!大事なことだから二回言いますよ!
一人暮らしに慣れていない主人公の下に来て、ちっちゃいテケリさん(×12人)に分身して掃除・洗濯、朝は優しく触手で起こしてくれるし、「いってらっしゃい!」って言ってお弁当を渡してくれるし、自分の帰りを待って晩のご飯の用意をして待っててくれるワケですよ!しかも満面の笑みを浮かべて嬉しそうに!
普通にメイドさんとして萌えるモノはあるんですが、特に分身してちっちゃくなったテケリさんたちが一生懸命家事をしてくれるのはまた違う魅力に悶えます!
しかも文倉先生のイラストがまた素晴らしい…。特に125Pの笑顔。この人の描くキャラは表情に温かみがあって大好きです!しかもちっちゃいテケリさんたちのイラストがやばいです。作者さんが手元に一人はちびテケリさんを置きたいという気持ちがすっごいわかります。
学校パートは主にもう一人のヒロインと思われるあさひとの掛け合いメインで、ちょっとマニアックな会話を除けばこちらはこちらで学園ラブコメっぽい雰囲気。
他のクラスメイトは顔見せ程度ですけど1巻と言うことを考えればこのくらいがちょうどよかったのかもしれませんね。
あさひがトオルは魔術結社の人間だと思い込んで、無駄に警戒してから回ってるところとかは可愛かったのですけど、物語後半勘、違いしたままあさひがトオルを狙って魔術バトルを仕掛けて来てからはちょっとシリアス気味でハラハラしました。
それでもオチは全体の雰囲気は変わらずにテケリさんの真摯な想いやあさひの複雑な過去が伝わってくる良い展開でした。
●総合
☆4つ!正直かなり気に入りました!
終わり方は奇麗でこのまま終わっても良い感じですが、個人的にはもっとテケリさんをもっと読んでいたいんで続いて欲しいですね。
新レーベルということもあってまだまだ注目されにくいかも知れませんが、是非多くの人に読んでもらいたい作品です。
続くことを願って、期待して待っています!