東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN
東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: あざの耕平,すみ兵
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2010/05/20
- メディア: 文庫
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【ストーリー】『ぼく、シキガミになる。ずっと一緒にいて、ずっと護ってあげる』それは遠い昔の約束。彼がまだ“将来”の意味を知る前の―。霊的災害“霊災”が多発し、陰陽師たちが活躍する現代。土御門春虎はトコトン運の悪い少年だった。陰陽師の名門に生まれながら、才能はからっきし。この16年の人生で、死にかけた回数12回。そしてある夏の日、極めつきの受難が、彼の前に訪れる。「久しぶりです―春虎君」土御門家次代当主である幼なじみの少女、夏目。彼女との再会が、春虎をかつて見た“将来”へ―波乱に充ちた“未来”へと導き始める!闇に舞う鴉たちの、時を超える陰×陽ファンタジー。
●初あざの先生
陰陽術が実用された現代。陰陽師の名門に生まれながら才能のない少年と、彼とは反対に才能に恵まれた幼馴染の少女の異能アクション。
『BBB』の作者で有名なあざの先生と聞いて即購入。…実はまだBBB読んでないんですけどね。でも何故あそこまで人気なのかは分かった気がします。
陰陽師の名門に生まれながらも霊的な存在を見る『見鬼』の才能さえ無く、落ちこぼれと呼ばれた春虎。しかし、彼は親友の冬児と北斗と一緒に何の変哲もない普通の高校生活を楽しんでいたが、昔ある約束をした幼馴染の少女・夏目と出会い、陰陽師の事件に巻き込まれていく。
あらすじだけを読む分には至って王道な現代異能バトルそのものですね。でも流石はベテランというべきか、設定に拘らなくても十分面白い!
文章の巧さとかは素人なんで全然分からないんですけど、ある程度実績のある作家さんの文章ってスラスラ読めるし、頭の中で想像しやすいんですよね。物語の下地もしっかりしてるからワクワクしながらストーリーを追っていけます。
いつか時間と金が十分できたら是非とも前作『BBB』も読んでみたくなりました。
●富士見ファンタジアらしい
雰囲気を持ってますね。
個人的に富士見ファンタジアは、主人公の少年がヒロインや友達を守るために傷だらけになりながら戦っていく少年漫画なモノというイメージなんですよね。
突然再開した幼馴染の夏目とは剣呑な雰囲気になりながら、いざ夏目が狙われていると分かると喧嘩中にもかかわらず自分を夏目と偽って間接的に彼女を守ろうとするところなんか、正に少年漫画の主人公ですよ。
そんな熱いバトル展開も良いんですが、前半部分の冬児と北斗との話とか物凄く好みだなぁ。
元気一杯で男勝りな性格をした北斗との遠慮無い会話と祭りでの青春臭さは甘酸っぱくてニヤニヤが止まらないですし、「悪友」と書いて「親友」と読む冬児との以心伝心具合がすごく好き。というかこの三人の関係は理想的じゃないですかね!?この三人の昔話とか読んでみたいです。
中盤以降、段々事件がシリアスになってきてからは面白さも加速。
春虎が夏目の「式神」になる決意を固める展開はちょっと悲しい物がありましたが、最後まで読んで納得できる展開だったのでこれはこれでありかな。
ただ陰陽師同士の戦いの割に気合い要素が多かったのが意外でした。トラップとか駆け引き重視の戦闘になると思っていたんですが…。まあ1巻ですし、これからに期待します。何気に戦闘中に今後の伏線になりそうな描写が多かったですし。
そうそう、敵である鈴鹿に対して春虎らしい良い後味決着のつき方でしたが、彼女はフラグが立ったとみて良いんですかね?
●総合
☆4つですね。まだまだ序章とはいえ、楽しかったです。
長期シリーズになるのか、伏線が沢山あったのでホントにこれからの展開が楽しみでしょうがありません。予想はできますが、それが今後どうなっていくのか…。
次の巻も期待しています!