やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

【ストーリー】孤独に負けず。友達もなく、彼女もなく。青春を謳歌するクラスメイトを見れば「あいつらは嘘つきだ。欺瞞だ。爆発しろ」とつぶやき、将来の夢はと聞かれれば「働かないこと」とのたまう──そんなひねくれ高校生・八幡が生活指導の先生に連れてこられたのは、学校一の美少女・雪乃が所属する「奉仕部」。さえない僕がひょんなことから美少女と出会い……どう考えてもラブコメ展開!?  と思いきや、雪乃と八幡の残念な性格がどうしてもそれを許さない!  繰り広げられる間違いだらけの青春模様──俺の青春、どうしてこうなった!?


おぉ…痛い痛い。


「トラウマを抉られつつも超面白かったです。友達がいなくても強く生きて行く勇気をもらいました!(by平坂先生)」

正にその通りですね。これは一部の人にとって懐かしくも二度と経験したくないであろうトラウマをどストレートで撃ち抜く内容でした。


主人公の八幡ほど病んではいなかったけど、彼の思考はすごくわかるなー。彼の思考というより『高二病』か。
世の中を斜に構えて見て、考えて、捻くれている部分とか、親や周囲に対する反抗期ではなく社会に対する反抗期という感じなのかな。しかもこの時期に友達がいないとまたちょっと変な方向に走っちゃうんですよねぇ…。

八幡はそういった意味では正しく真っ当に高二病患者なので、見ているこちらとしても「あー…」と懐かしさと同情の様なモノが込み上げてきました。でもそこが逆にある意味可愛いなぁと思えてしまうんですよね。青春って言ってもそうそう良いものばかりではないよなぁ、と。
友達がいないから休み時間はずっと一人で本を読んでいたり机に伏せっていたり、仲良く行動する集団を避けつつ、リア充爆発しろ!なんて心の底で叫んでいたり。
そうした苦い経験があったからこそ、同じような経験をしている八幡に対して仲間意識の様なものが持てたのかもしれません。
だから、「友達がいなくても強く生きて行く勇気をもらいました!」なのか!流石平坂先生!

まぁ、そんなくらーい話じゃないんですけどね。


実際は

一見リア充でギャルだけれど、どうしても周囲に合わせてしまう性格で常にビクビクしてしまったり、
外見は美少女で何でも出来てしまう天才だけど、毒舌で協調性がないため友達がいなかったり。
八幡とはちょっと違うけれど、同じように周囲と”ズレ”てしまった「奉仕部」のキャラたちがお互い少しずつ感化しあいながら良い方向へ向かっていて、ちょっと変化球ではあるけど青春モノとして楽しめました。

最近流行りの男の娘や何気に王道ラブコメな設定があって、ちゃんとライトノベルらしい面白さもありますね。
何より主人公が内輪ネタが嫌いだと言いながら千葉ネタが豊富なのが笑えました。千葉県民じゃないと楽しめないだろうと思われるネタが多いことw是非とも次はチーバくんを!


総合
応援の意味も込めて☆5つですかね。

確かに「はがない」と設定やキャラが被っている部分は多いかもしれませんが、実際のところは全然違うベクトルですね。「はがない」の方がコメディ色が強いのですが、こちらは青春学園色が強いと思います。
なので個人の好みによって評価は分かれそう。


次の巻も期待しています!