RIGHT×LIGHT12 〜繋がる声と届く指先〜

RIGHTLIGHT 12 (ガガガ文庫)

RIGHTLIGHT 12 (ガガガ文庫)

【ストーリー】行こう、由衣──。もう姿の見えない妹に呼びかける。けれど返事はしっかり聞こえた。『うん。戦おう、お兄ちゃん』二人、心を重ねて束ねる。地球を遍く包んでいる壁──《天牢》を戦うための姿へと転化させる。その姿は狼。白い毛で覆われた大神。狼頭は夢幻の光を放つ。その光は、生きている人たちのさまざまな想い、皆の輝き──。「ケースケ!」あの光はアリッサ。未由、陽名ちゃん、ツグミ、冬上の光も感じる。流れ込んでくる。出逢い。別れ。そして──。古の神話が、連なる絆の物語として終結する。


ハーレム宣言したっていいじゃない。英雄だもの。


このシリーズは


全巻通して読んでいたのに、今からちょうど二年前ごろに3巻の感想を書いてから全く続きの感想を書いてませんでした!すみません…。
何気にお気に入りのシリーズで毎回楽しみに読ませて頂いていたんですが、バトル物の感想を書くのが苦手でして…、という言い訳は良くないですね。兎に角こうして完結まで楽しませていただきました。


結局言いたいことは


最初のハーレム宣言うんぬんの一言に集約されるかな。いや、至極真面目に。

この物語は啓介が何もかも失っていた状態からスタートして、アリッサや未由に出会い、その他沢山の人物とぶつかり、苦難を乗り越え繋がり、空っぽだった手品師が満たされ、溢れつつもそれすら飲み込んで大きくなっていくストーリーなんですよね。何かを得る代わりに何かを失うなんて嫌だ、わがままで自分勝手で強欲かもしれない、それでも手にしたモノを離したくない、離してたまるものか、ってね。
最終的に啓介がした判断だって、アリッサと未由のどちらか一人を選ばず、間違っているとしてもどちらとも選びたい、という強欲で酷く人間的なものです。

でも、何もかも諦めてしまうよりは全然良いんじゃないかな、と私は思うんですよ。
何も諦めずに全てを得ようとするなんて甘い、というかもしれませんが、それがどうしたとばかりに進んでいく啓介
が大好きでした。だってずっとその考えを通すためにボロボロになりながら頑張ってきたのですし。

だから、最初の一言なんです。


総合

☆5つかなぁ。
色々細部が粗いところもありますが、シリーズを通して読んできた身としては初志貫徹したこの作品にはこの評価をしたいです。
というか、あとがきでツカサ先生が

色々な方面から「コメディ……?」という反応をされた記憶があります。

と言ってましたが、1巻の感想で思いっきり突っ込んでましたよ!(参照
ツカサ先生!貴様!見ていたな!?

と言うワケで、「第一部・天牢編」完結おめでとうございます。
ラブ増し増しコメ全部載せの「第二部・日常編」を心からお待ちしております!