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魔法科高校の劣等生 1・2 入学編

感想 電撃文庫 学園 魔法/神秘 SF 佐島勤 石田可奈 ☆☆☆

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)


【ストーリー】どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを抱える優等生の妹。一組の血の繋がった兄妹が、魔法科高校へ入学した。
 成績優秀、才色兼備な妹・深雪が、主席入学生の慣例として魔法科高校の生徒会にスカウトされた。そして兄・達也も、とあるトラブルを払いのけた事件をきっかけに、違反行為を取り締まる風紀委員にスカウトされる。
 劣等生《ウィード》にもかかわらず、風紀委員メンバーとなった達也。その活動中に、この学校を人知れず侵食する、謎の組織の存在を感じ取る。


SFと魔法の学園アクション


WEB小説で

とても人気だという噂を聞いて1巻が発売された時点で読んでいたのですが、どうしても2巻読まなきゃ感想書けないよ…、となってしまったので2巻が発売されてからの感想になってしまいました。これから買う人は、2冊同時じゃないと物凄く続きが気になると思うんで、注意しましょう。

個人的に感想を書くのは苦手なんですが、読む分にはSF・魔法アクションモノはむしろ好物なので、そこまで人気なら期待させてもらおうじゃないか…!と、発売前から結構期待してハードルを上げて楽しみにしていました。
そして率直な感想としては、WEB小説で大人気なだけあって、世界観や設定はよく練り込まれているし、主人公にはなにやらただならぬ秘密があって、しかもそれが物凄く気になる展開でワクワクできました。


中でも特に、

魔法に関する設定の作り込み具合はすげぇ…、と圧倒されました。設定が凝っていれば凝っているほど好きな人にとってこれは堪らないんじゃないかなぁ。実際私も、文型で、しかも物理とか科学は超苦手なのに科学雑誌の「Newton」を読んでいたくらいなので、魔法を科学視点で解説するような話はすごく楽しめました!特に未知の粒子とかが出てくると面白くてしかたないです。
設定にあまりこだわりの無い人にとってはわかりませんが、少なくともクドくはなく、程良い説明具合だと感じましたよ。

ストーリーも

魔法の設定に負けないくらい、面白かったですね。
魔法の才能が認められ、最良の教育を受けられる一科生と、魔法の才能で劣っている二科生で分けられる魔法学校で、妹の深雪は超が着くほどの優秀な能力を誇る一科生であるにもかかわらず、自分は二科生の主人公・達也。
しかし、実は同年代では太刀打ちできない程の実力を持っている。

王道の中の王道な設定とは言え、堂々と主人公無双で勝負する勢いの良さがいいですね。魔法の才能で優れているため、能力の劣る二科生をあからさまに見下す一科生を、二科生である達也が軽々とあしらっていく様はテンプレ・王道とは言っても、やはり気持ちが良いものですね。

妹の深雪もそんな兄を心酔しきっていて、というかむしろ異性として意識しているんじゃないか?と思わせるほど慕っているおかげで主人公に感情移入する側からすればすごく心地いいものがあります。


が、

世界観・設定・主人公の取り巻きや能力、これらは素晴らしいと言える程の面白さなんですが、どうしても受け付けない部分があるんですよね。
それは、主人公を筆頭に、登場するキャラクターたちがやたらと達観しているところなんです。クールとかいう次元を超えて、君ら本当に高校生…?軍人じゃないの…?と思うほど妙に冷静というか、人間臭さが少ないんです。

うん、自分で書いていて思いましたが、この話は「学園」の枠に入れる必要があったのかなぁ?と疑問に思うのですよ。
学校内では私闘は禁じられているが、申請を出せば決闘も可能。むしろ、魔法の実力をつけることは良いこと、という風潮があるんですよね。そんでもって、魔法を悪用する生徒に対処する風紀委員は存在するし、生徒会の権限は例によって大きい。
それだったら、もう軍隊とか傭兵団みたいに割り切ってしまって良いんじゃないかなぁ、と思ってしまうワケですよ。「鋼殻のレギオス」も同じように学園である上に傭兵団みたいな連中ですが、彼らでさえ、年相応の悩みだったり、青春を送っていることがみられます。対してこちらはそういった15〜18歳らしい未熟さだとか若さが感じられないんですよね。仮にキャラクターたちの性格をそのままに普通の舞台に変えれたとしても違和感はないんじゃないかな…。
学園モノというならば、もう少し人間臭い感情があってもいいんじゃないか、と思うんですよ。

結局のところ、話の最後はテログループと戦ったりしてしまいますし、これからもっと強大な敵が出てきそうな雰囲気からして、学園パートの必要性が現段階では理解できませんでした。


総合

ちょっと厳しいかもしれませんが、☆3つです。
本当に個人的な意見になってしまうんですが、自分が学園モノに期待するのは、単純に高校生くらいの感情豊かなキャラクターたちの話が読みたいからなんですよね。大人のように達観してないからこそ、言いかえれば未熟な部分を多く残しているからこそ、悩んだり、楽しんだり、感情豊かな部分が多く見られて楽しいんですよね。これがもし、本格的なSF魔法アクションで舞台も傭兵団なんかだったら違和感はなかったと思うんです。ですが、やはり学園モノというならば、せめてもう少し等身大のキャラクターを描いて欲しかったな。
人によってはこの感じが良い、と言う方もいると思いますが、私個人としてはそこが気になってしまったんです。

ですが、話自体は面白いですし、これからの展開も気になるので、次巻も期待しています。