魔法少女のくせになまいきだ。
- 作者: 永井寛志,モフ
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/09/15
- メディア: 文庫
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【ストーリー】突如出現した魔族が、都心のビル群を破壊し始めた!そこに現れたのは、我らが正義の魔法少女、ほゆらちゃん!通りすがりの少年シゲトは、強くて可愛いほゆらに一目惚れ。
しかし、魔族の口から、とんでもない事実が明かされる。
なんとシゲトは魔族を束ねる長・・・すなわち邪神だったのだ!
魔法少女と邪神。敵対することになった二人の運命は!?
魔法少女ねぇ・・・。
●表紙の
動きを封じられ、悔しそうに顔をゆがませている女の子の絵がツボにハマりました・・・。
あらすじも、要約すると「何も知らずに正義の魔法少女に惚れたけれど、実は自分は邪神で彼女とは敵対する立場だった!」
とあったんで、
【表紙の悔しそうな表情】+【魔法少女に惚れたけど、実は自分は邪神(超強い)だった】+【悪魔っ娘の囁き】=魔法少女捕獲!→×××!
という展開がぽぽぽぽーん、と湧いてきました。
この考えに至ってしまったのは自然な流れですよねぇ?
・・・まぁ、結論を言うと全然違ったのですが。
●実際は
自分でも気付かなかったけれど実は邪神だったシゲトが、あることから魔法少女のほゆらちゃんに悪の親玉だと誤解されてしまい、誤解を解こうとするも色々と横やりが入ってうまくいかず、そうこうしているうちに神様は現れるわ変な奴に目をつけられるわで大変!というドタバタコメディという感じですね。
シゲトやほゆらちゃんを含め、ちょくちょく新しく現れる魔族の仲間や神様たちはキャラが愉快で・・・、というかコメディな性格な割にみんな能力的にはすごい連中でして、全体的にコミカルな雰囲気でやってることのスケールがとんでもないというギャップが面白かったです。
なんとなく、「うる星やつら」とかが流行っていた時代のコメディのような、デカイスケールで全力でギャグをやっているような感じですかね。
個人的にはそういったちょっと一世代くらい前(悪い意味ではなく)のノリは好きなんで全然おkです。
●ですが
文章で読むと素直に面白い、と言えない何かがあるんですよね・・・。
最初の頃はそれこそドタバタコメディ路線でいくのかの思って読んでましたが、段々話が真面目になり、ついには世界系(?)のような話題に変わってくるころから違和感が出始め、そうなるとコメディな部分に笑うこともできず、シリアスになりきれてない感が漂う微妙な雰囲気に・・・。
キャラクターや設定も、コメディならば許容範囲だった描写の薄さが致命的な中途半端になり、感情移入できないし行動が理解できなって楽しめなくなってしまいました・・・。
特にメインのシゲトとほゆらちゃんがなぁ…。
シゲトは話が進むにつれて何がしたいのかわからなくなってくるし、ほゆらちゃんは心理描写が少なくて魅力を感じられないどころかキャラクターが掴めない・・・。
まわりの魔族や神様のキャラクターはマスコット的な感じで面白いのですが、やはり登場”人物”としては微妙かなぁ。
●総合
う〜ん・・・。正直に言って☆2つかなぁ。
最初は楽しめそうな予感がしていたんですが、徐々に冷めていってしまいました。
たぶん映像で見る分には面白いのかなー、とは思うんですが、文章だと何かが足りない感じがして楽しむことができませんでした。残念。