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マグダラで眠れ

感想 シリアス 支倉凍砂 鍋島テツヒロ ☆☆☆☆☆

マグダラで眠れ (電撃文庫)

マグダラで眠れ (電撃文庫)

【ストーリー】 人々が新たなる技術を求め、異教徒の住む地へ領土を広げようとしている時代。錬金術師の青年クースラは、研究の過程で教会に背く行動を取った罰として、昔なじみの錬金術師ウェランドと共に戦争の前線の町グルベッティの工房に送られることになる。
 グルベッティの町で、クースラたちは前任の錬金術師が謎の死を遂げたことを知る。その足で出向いた工房。そこでは、白い修道女フェネシスが彼らを待ち受けていた。彼女はクースラたちを監視するというが──?
 眠らない錬金術師クースラと白い修道女フェネシスが紡ぐ、その「先」の世界を目指すファンタジー、ついに開幕!


さすが支倉大先生!(色んな意味で)期待を裏切らない!


錬金術


というまたまた発想が斜め上な主人公ですね。しかも「鋼の錬金術師」みたいなどちらかといえば「魔術師・魔法使い」ではなく、ガチで「化学者」というところがまた支倉先生らしいです。


相変わらず専門的な話でも錬金術に関して無知なフェネシスとの会話を通して、いかに主人公が錬金術に魅せられているかがよーく伝わってくるところなんかは、前作「狼と香辛料」と同様ですね。というか改めて支倉先生は専門的な話を書くのが上手いですね。別に文章がうまい下手がわかるわけでは無いですが、少なくとも経済的な話も化学的な話も楽しんで読めるということは、何気にすごいことなんじゃないかなと思うんですよね。


特にフェネシスが亜鉛の精錬に携わったところなんかは、フェネシスの子供の様な純粋な反応が相俟って、何かを成し遂げた時や何かを作り上げた時の様な、何とも言えない興奮と達成感が伝わってきました。


まぁ、何よりも良かったのは、クースラの冗談に疑り深そうに見えて案外コロっと騙されて子供みたいに拗ねるフェネシスですけどね!子猫可愛いよ!子猫可愛いよ!



楽しいことばかりじゃ


やっていけないという背景が物悲しいですね。
徐々に距離は近づいているのに、お互いの組織が腹の探り合いをしていて、お互い譲れないものがあるから最後の一歩が踏み出せない様は、読んでいてすごくヤキモキしました。

だからこそ、「自分がただの歯車の様な人間なのではないか」「自分はずっと孤独でなのではないか」という二人の苦しみが解消されて、理解しあえた時は本当に感動しました。



総合


錬金術の話もキャラクターの魅力もストーリーも素晴らしかった!文句なしの☆5つです!

正直終盤に入るまで不安だった点があったのですが、そこも見事に期待通りで、挿絵と展開の熱さも加わって激しく興奮しました!ネコミミネコミミ!)

これからの展開は一切予測できませんが、今回名前だけで出てこなかった組織や未解決の部分など、これから世界観を広げてくれそうな予兆もあってとても楽しみです!

次の巻も期待しています!