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たんかん!VOL:5

たんかん!

「短い感想」略して「たんかん」!も5回目です。

今回はこれまでの更新停止期間が長かったので、その間に良かったと思った作品を上げていきます。といってもメジャーなので読んだことのある人は多いと思いますが…。

※とても長くなってしまったので、格納しておきます。



"ヒカルが地球にいたころ"シリーズ

既刊4巻+漫画版1巻

文学少女」シリーズでおなじみの野村美月先生の新シリーズ。

<簡単なストーリー>


外見がヤンキーで(でも内面はとても優しくて正義漢)誰も寄り付かず、友達の一人もいない赤城是光に、周囲から"皇子"と持て囃され、超絶イケメンでありながら超絶女誑しの帝門ヒカルの幽霊がとり憑き、生前ヒカルが複数の女性と約束していたことを是光が代わりに果たしていく。


というものです。

まぁ、もっと簡単に言ってしまえば、この作品が「源氏物語」をベースに作られているということもあって、心に傷を抱えた女性たちを、是光がヒカルのサポートを得ながら救っていく(落としていく)話です。


といっても「文学少女」の作者とあって単純なハーレムモノにはなりません。やはりといいますか、ヒロインたちの抱える傷というのがかなり深刻。
ヒカルの死によって大きな喪失を抱えたり、複雑な家庭事情を抱えていたり、出てくる登場人物みんながどうしようもないくらい苦しんでいるんですよね。それはなにもヒロインだけでなく、是光に助言をする立場のヒカルにもあてはまりまして、多くの女性を残して死んでしまったことの後悔と、自身の抱える傷に苦しんでいます。


これがもし「文学少女」シリーズだったら、おそらくまるまる一冊シリアスで鬱モードだったのでしょうね…。
ですが、今シリーズは"是光"がいることで大分雰囲気が異なります。

物語のキーパーソンとして、死者であるヒカルの想いを生きているヒロインたちに伝えることのできる唯一の人物、という属性を持ってはいますが、彼を主人公たらしめているのは何と言っても彼自身の優しさ。

一巻で、心を開かない葵を前に諦めかけたヒカルに対して是光が言ったセリフ

「泣いている女を、放っておくことなんてできないんじゃなかったのかよっ!枯れそうな花には水をやるんじゃなかったのかよっ!だから教えてやれ!葵のことも、葵との約束のことも、おまえがどれだけ大事に思ってたか、葵に教えてやれ!おまえの言葉も気持ちも、全部俺が伝えてやる!おまえが『頼む』って言ってくれたら、友達だから――俺が絶対、伝えてやる!葵の涙だって、おまえが拭けないなら、俺がタオルでごしごし拭いてやる!それともまた『もういい』って言うのか!」

(中略)

あの言葉ひとつで、俺はどんな困難なことでも、こいつにしてやれるだろう。
 頼む。
 その言葉だけで、見返りなしに、損得抜きに、すべてを引き受けるだろう。
 "友達"のために、喜んで動くだろう。

「おう!任せろ!」

なんかは、特に彼らしい言葉で心が震えました。

個人的に漫画版も原作の雰囲気が良く出てて面白いと思いますし、1話ならガンガンオンラインで無料で読めるので、気になった方は是非読んでみて欲しいです。



アウトブレイク・カンパニー」シリーズ

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者1 (講談社ラノベ文庫)

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者1 (講談社ラノベ文庫)

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者2 (講談社ラノベ文庫)

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者2 (講談社ラノベ文庫)

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者3 (講談社ラノベ文庫)

アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者3 (講談社ラノベ文庫)

既刊3巻。

最近創刊された「講談社ラノベ文庫」の作品です。

<簡単なストーリー・概要>

ラノベ作家とエロゲ原画師の良心をもつサラブレッドオタニートの加納慎一が、ドラゴンが飛び交い、エルフや獣人など様々な亜人が住むファンタジーな世界に日本のサブカルチャーを布教し、売り込む外交官として活躍する物語。


オタクっ気のある人ならば誰もが考えたであろう夢のストーリーそのまんまですね!
しかも慎一が典型的なオタクのそれで、エルフメイドやケモノミミ獣人を見ては感涙し、自分の好きなこと関しては全力なので、感情移入がしやすいことこの上ない。

さらには登場するファンタジー世界の住人達がこれでもかと言うほど王道を突き抜けているところがまたイイ!
エルフメイドのミュセルは従順・純粋・温厚だし、皇女で幼女のペトラルカはサブカルに興味津々で行動力もありつつ、皇帝らしい威厳も持っていますし。そんでもってケモノミミ少女のエルビアはボール大好き・バカっぽい・発情期とケモナー歓喜な超王道設定!!
※決してテンプレではなく王道というところが重要!


しかし、一冊丸ごとコメディパートに費やされるということはありません。
身分差別さえ当たり前のように存在し、識字率も低く文化というものがちゃんと確立していないファンタジーの世界に、高度に発達した娯楽産業・サブカルチャーが浸透していくことで起こる弊害といった、文化についてとても考えさせられるテーマが本題です。
さらには、サブカルチャーをただの外交道具として扱い、果ては後ろ盾のない慎一でさえ都合が悪くなったら処分しようとする真っ黒な日本政府に立ち向かう、という至極真っ当でシリアスな展開もあります。


登場人物・世界観・ストーリー全てに魅力が詰まった良作です。



2シリーズなのに…


予想以上に長くなってしまいました…。
本来ならこのあとに今アニメ化している作品をいくつか紹介しようと思っていたのですが、長くなりすぎてしまったので、2シリーズしか紹介していませんが、終わりにしようと思います。

できれば、近いうちにVOL;6もやろうと思います。