うちのクラスの頼りないラスボス
- 作者: 望公太,鈍色玄
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2012/12/27
- メディア: 文庫
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【ストーリー】「あなた、私の仲間にならない?」 『ラスボス』という『役割』を与えられた少女、塔ヶ崎夜子は、『脇役』の少年、涼希にそう告げた。涼希の幼なじみの少女で新入生唯一の『主人公』桜神雛に無謀な戦いを挑む夜子に涼希は徐々に魅かれていく。あらゆる事が起こり得る「まるで物語のような学園」で繰り広げられる『超劇的エンターテインメント』登場!
主人公とは?
●キャラクターの役割
をテーマにした斬新な学園ラブコメ。
作者自身も言ってましたが、<脇役>な主人公と<ラスボス>や<主人公>のヒロインたちという、字面だとぜんぜん意味がわからない設定ですね…。言ってみれば、何でも補正がかかって勝つことができたり、行く先々で謎の殺人事件が起きるのが<主人公>という属性で、そんな<主人公>の添え物としての存在しかないのが<脇役>と言ったところ。
●割と真面目なメタ…?
とも言えるのかな…?主人公などといった役割に対して割と面白い観点だなぁー、と思いました。
(この物語の)主人公が<脇役>だから、<主人公>が如何に理不尽かということがわかってちょっと面白いですね。「主人公補正強すぎ!」「主人公は必ず勝つ方程式」をリアルでやられたら確かに嫌だわなぁ…。
口調でキャラ付けを明確にさせたり、各役割ごとのお約束に突っ込んでて「異能バトルは日常系の中で」の作者らしい、絶妙なメタ具合でした。
●でも
ぶっちゃけ<ラスボス>さんが全然<ラスボス>してなくて、「<やれやれ系鈍感主人公>と<高慢駄目っ娘ツンデレヒロイン>の学園ラブコメ!」って感じじゃないですかー!万能幼馴染と駄目っ娘クラスメイトが修羅場過ぎる!
<ラスボス>こと塔ヶ崎さんはラスボスらしく主人公に突っかかるけど、駄目っ娘属性がついてて負けまくってる時点で、RPG的に【主人公を圧倒するラスボス】ではないだろう…。背伸び具合が絶妙で可愛いけど。
あと<脇役>こと主人公の涼希は最早テンプレな<やれやれ系鈍感主人公>ですよね?
<脇役>ってのは、杉井光的に言えば
「三つの坂?なんだっけ」と電柱が言う。
「まず平坂だな」「俺たちだな!」「次はなんだ」「赤坂?」「式場いっぱいあるもんな!」「じゃあ最後は」「男坂?」
「男坂はだめぜったい!」(神様のメモ帳6より)
こんな感じのキャラ。うーむ、素晴らしい脇役具合。
まぁ、最後にも語られていた通り、<脇役>ってのは確かにちょっと特殊ですよね。
次回以降への伏線を思いっきり貼りましたが、これがどうなるか楽しみ。
あ、あとかなーり「魔王なあの娘と村人A」を彷彿とさせましたね。(ぶっちゃけキャラクターの配置とか世界観とか割とそのまm…。)
●総合
☆3つかなぁ。
テーマの着眼点もストーリーの面白さもあるんだけど、いかんせんまだパッとしない。
もっともっとこの作品の売りを活かして賑やかにして欲しいという意味を込めて☆は三つですねー。
次回以降も期待しています。