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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか (GA文庫)

【ストーリー】迷宮都市オラリオ──『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。
未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。
人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。
「よし、ベル君、付いてくるんだ! 【ファミリア】入団の儀式をやるぞ!」
「はいっ! 僕は強くなります!」
どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険者志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。


これは良い少年成長譚!


ダンジョンに潜り込み

魔物を倒し、金品を得る職業の冒険者たち。その冒険者たちが天界から降りてきた一柱の神様を旗本に【ファミリア】が組織され、いくつものファミリアが存在し、スキル・魔法・ステータス有りのモロRPGな世界観。
 最初は「薔薇のマリア」っぽいかなぁ、とも思いましたが、こちらはそこまで殺伐としていないし、神様といってもかなり俗世にまみれてて、どちらかというとこの世界がゲームで、神様たちがプレイヤーという印象ですね。役割的にもそんな感じですし。


主人公のベル君が

すっごく良いわぁ…。

 初めこそ、唯一の家族にして今は亡き祖父の教育の賜物で「美少女と素敵な出会い!」という下心からダンジョンに潜り込んでいた彼ですが、そこで起きた出会いが彼を変え、そこから少年らしい真直ぐ純粋な想いによって成長していく姿に魅了されました。
 
 といっても華々しく才能を開花させていくというわけでなく、むしろ中々思うように強くなれず、情けない姿を蔑まれ、憧れの人との差に落ち込むことも多々あります。でも彼の良いところは、そんなことがあっても僻むことなく、周囲の人たちの支えにしっかり感謝して、泥まみれになりながらも想いだけは曲げずに真直ぐなところ。作中の女性陣がそうであったように読んでいるこちらも応援したい気持ちになりました。

 純粋に努力を重ねている部分と、色々不器用な人間臭い部分も持ち合わせているからすごく愛嬌があるんですよね。これは周りの女性が気にかけるのも仕方ない。所謂「無自覚系お姉さまキラー」。


物語の

メインはベル君の成長ですけど、周りの人たちも賑やかで楽しいですね。

 最初にも書きましたが、神様たちがすごく俗世にまみれてて親しみやすい。基本的に各神話の神様がごちゃまぜで出てきますが、神様同士のやり取りが学友のそれで全くと言って良いほど威厳が感じられない(褒め言葉)。

 特にベル君の所属する【ファミリア】の神様であるヘスティア様が可愛らしい。ベル君大好きなのが態度にモロ出てるのはともかく、彼の前では神様ぶってて偉そうにしてるんですが神様同士(特にヘファイストス様から)だと「駄目っ娘」扱いで、背伸び感が可愛い。ヘスティア様可愛いよ!

 でもちゃんとベル君の保護者として、彼の成長を見守り、支えようとする心は本物で、一生懸命な彼の為に一生懸命自分にできることをしている。ただ可愛いだけじゃないのも彼女の魅力ですね。

 ベル君とヘスティア様の一生懸命な二人が見ていて本当に微笑ましい。ただヘスティア様の幸先がとても不安…。

あ、あとロキ様とフレイヤ様はポジション逆じゃないですかね?物語を引っ掻き回すトリックスターと言えばねぇ…。


総合

久しぶりに良い新シリーズでした。文句なしの☆5つ。
主人公の目標・世界観・周囲のキャラクター。駆け出しの1巻としては理想的なスタートなんじゃないかな。
感想で書き切れなかった、他の神様や女性陣も魅力的でしたし、これからの展開が楽しみになる伏線もいっぱいあって、本当に2巻が待ち遠しいです。2カ月連続刊行が本当にうれしい。

ただ一つ問題があるとすればタイトルかなぁ。それこそ【ファミリア】にかけたタイトルとか、もっといい案は無かったのかなぁ。

何はともあれ、来月刊行の2巻にも期待しています。