天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~

天才王子の赤字国家再生術2 ?そうだ、売国しよう? (GA文庫)
天才王子の赤字国家再生術 ?そうだ、売国しよう? (GA文庫)

「こんな国、さっさと売って隠居生活だ!」 

完全に詰んでる国家の運営、無茶ブリされました! 

「さすが殿下! これが狙いとは!」 
「どこまでもついて参ります!」 
「殿下!」「殿下!」「殿下!」「殿下!」 
『(一体どうしてこうなった!?)』 
資源も人材も兵力もない弱小国家を背負うことになった若き王子ウェイン。 

文武に秀で、臣下からの信頼も厚い彼にはひそかな願いがあった。 
「国売ってトンズラしてえええ!」 
そう、王子の本性は悠々自適の隠居生活を目論む売国奴だったのだ! 
だが、大国に媚びを売ろうと外交すれば予期せず一方的に利益を手にし 
隣国との戦争で程よく勝とうとすれば大勝利。名声は上がるが売国は遠のき、 
臣民はイケイケ状態で退くに退けない!? 

天才王子による予想外だらけの弱小国家運営譚、開幕! 

国家規模のアンジャッシュ



二巻一気読み。面白かった!

資源無し!技術無し!の弱小国家の王子が、強大な敵国相手に知略で敵将を手玉に無双!…と思いきや、良くも悪くも思いがけないトラブルと勘違いにより状況が予想の斜め上の事態に。

ぶっちゃけ国家運営とか面倒なことは辞めて、さっさと隠居したい主人公ウェインにとっては、想定以上に事態が好転するもんだからマジ勘弁!と、国を取り巻く環境とか周囲の人は割とシリアスなのにコミカルで、随分笑わせてくれました。

部下がウェインを過大評価するのはまぁ、仕方ないとは言え、なんで敵が感化されて過大評価すんねんww
他にも、まさかそんなバカではないだろうと思ったヤツが想像を絶するバカだったり…。現実は想定外のことが起きるものだとは言え、程ほどに抑えたいウェインの本音に対する、世界がそれを許さない感がすごい。



んでもって、腹心のニニムさんがまーた良いんだなぁこれが。
普段は有能で忠実な文官、私生活ではウェインのボケに突っ込む面倒見の良い相方、でもウェインからは自分の心臓だといわれる絶対的な信頼感があり、自信も例えウェインと結ばれなくても生涯をかけて彼を支え続ける覚悟を持つ。
この二人、恋愛的な関係性を越えたラブを感じるんですよねぇ…。過去話がとても気になる…。



☆4つ!
コミカルで描かれてはいますが、ちゃんとウェインにもニニムにもシリアスな魅せ場はありますし、戦記ものとしてもそれなりに楽しめました。