ダーウィン先生、ケモノ娘たちが学園でお待ちです!

 

ダーウィン先生、ケモノ娘たちが学園でお待ちです! (ダッシュエックス文庫)

ダーウィン先生、ケモノ娘たちが学園でお待ちです! (ダッシュエックス文庫)

 

 動物の耳やマズルや尻尾など、ケモノの身体的特徴を持つ少女たち。通称〈ケモノ落ち〉は、片田舎の学園で集団生活をしていた。
主人公のダーウィンは動物に並々ならぬ執着を示すマジメな動物学者。新しくその学園に赴任した彼の研究熱心さは、たびたび行き過ぎた行動に現れる。
尻尾の付け根を確認するためにスカートの中に潜り込んだり、上着を脱がせて剪毛を始めたり。そして、彼女たちが抱える悩みを、動物学者の見地から圧倒的知識で解決する。
ケモノ少女たちをまったく差別しないダーウィン先生は、どんどん生徒たちに懐かれていくのだった。すべてのケモナーのための学園ケモノ美少女進化論――!

 

すべてのケモナーに捧ぐ――。

 

性癖に刺さりまくってつらたん…。好きぃ…。

数々の人外娘、ケモノラノベを探して幾星霜。ついに見つけた我が理想郷-エデン-

まさにこういうケモノっ娘ラノベが読みたかったんだよ!!(大声

 

舞台は意外にも(?)ちょっとファンタジー入ってますが19世紀イギリス。

異種族という立ち位置ではなく、原因不明の身体に動物的特徴が発現した人間、通称<ケモノ落ち>の三人の女の子がヒロインなんですが、その設定がね、とても良い…。

モンスター娘のお医者さん」のように、”もし、現実にこんな人外(ケモ)娘がいたら?”という妄想を、モン医者は医学からでしたが、こちらは習性や行動パターンなど割と真面目な動物学を下地に描かれているんです。

それがね、とっても刺さった!

そう、私(ケモナー)は外見以外にも、あの動物的な行動や習性、犬で言えば、ついつい逃げるものは追いたくなる習性、その後独特テンションMAX状態のあの感じが好きなのですよ。

故に、ただただイヌミミとしっぽがはえてて人懐っこい、表情が素直といった”犬っぽい性格”といったキャラ付けでは物足りないの。もっと!もっと動物らしさを!

そういった欲求にドストレートで応えてくれた…!

おそらく犬を飼ったことがある人なら、テリアちゃん(犬)の行動に物凄く既視感を覚えるはず。

 

とまぁ、設定だけでも素晴らしいんですが、さらにすごいのはその設定の活かし方。

イチイチ犬っ娘の言動がそれっぽいの…!

テリアさんが、ご褒美を期待する飼いイヌのように顔を輝かせた。

「あっ!先生!ほら捕まえましたよ、メリィお姉様!可愛いでしょほらメリィお姉様これがお姉様可愛いでしょ!あっそうだパンツ脱がしますか!?わたしのときみたいに!!」

 よくある犬がテンションMAXで興奮している様子が目に浮かぶ…!

上記の言動以外にも、序列気にするとことか犬らしさが随所に散りばめられてて、彼女の行動を見てるだけで癒される。

 

んで、ヒロインに負けず劣らず主人公も濃い。

正に、動物学者という肩書を持つ変態。

普通の人とのやりとりが下手ってレベルじゃねぇぞ!もっとやれ!

ただでさえ来いヒロインメンツの中でもこいつが一番目立ってるんじゃ…?と思わせる突飛な行動の結果、変にヒロインたちと仲良く…なりすぎじゃね?と微妙に勘違い系ラブコメを引き起こしてる。

なんだろ、サービスシーンはおそらくケモナー向けで一般受けしにくいかもしれないけど、ラブコメとしても普通に面白いから安心して読んで良いと思うよ。そしてケモナーに目覚めれば良いよ。

 

そして真面目な話題。

この作品の動物に対するスタンスはとても尊敬すべきだと思う。

割とガチで世の中って動物をナチュラルに下に見てる人が多いし、なんなら人同士でもそういった”違い”に優劣を勝手につけてるけど、”違う”ことは悪いことでは無いし、優劣があるわけでもない。某フレンズじゃないけど「姿かたちも十人十色だから惹かれ合うの。君のことをもっと知りたいな」と”違う”ことを受け入れる、理解しようとする行動の下地が感じられました。

 

マズルってエロいよね…。☆5つ。

色々ちゃかした感想だったけど、実は結構真面目な作品だと思うよ。

ダーウィンの進化論は読んだことないんだけど、この作品の考え方、動物に対するスタンスは一動物好きとしてとても好ましく思いました。

 

ぜひとも続いて欲しいです。