放課後は、異世界喫茶でコーヒーを2~4

 

 

 

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを3 (ファンタジア文庫)

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを3 (ファンタジア文庫)

 

 

 

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを4 (ファンタジア文庫)

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを4 (ファンタジア文庫)

 

 

ここは、この異世界でただひとつのコーヒーが飲める場所。現代からやってきた元高校生ユウが切り盛りする喫茶店だ。

いよいよ迷宮街に歌姫がやってきた。日に日に賑やかさに拍車がかかる街の喧騒から離れるように、ユウの店は深夜営業中。そんなある雨の日、ユウは店の裏口に座り込んでいた、真っ白なドレスに身を包む鳥族の女の子ティセと出会う。「わたし、またここに来ていいですか?」深夜に集う「ろくでなし」なお客さんたちのなかで、いつの間にか場違いな常連となっていたティセ。どうやら彼女こそ祝祭の主役である「歌姫」そのひとらしく…?(4巻あらすじより)

 

嗚呼、と溜め息がでる心地よさ…。

 

4巻まで一気読み。

なんという心地よさだろうか。

もうね、言葉選びというか話の運びがホント好き。

耽美、という言葉はこういった作品のためにあるのかもしれない。

ここまで読感が心地よいのはいつぶりだろう。

 

4巻冒頭のボニーおばさんがゆったりと煙草とコーヒーを飲む描写。惚れ惚れする。

煙草を吸う、ではなくて煙草を飲む、というところが肝心。煙草は吸ったことも無いし吸う予定もないけれど、これほど煙草が美味しそうと感じる文章を読んだのは初めて。

 

 

もちろん、2巻の深夜のたまごかけご飯やリナリアとの賭けも、3巻の散髪シーンも拾った子猫も、うっとりするほど堪能できた。

 

1巻の感想でも書いた通りなんだけど、異世界だとかそんなジャンル分けが無意味に感じられる。

とにかく、そこにいて、暮らして、生きている人々の息遣いがユウという人物を通して感じられる。そこが魅力。

リナリアとのたまに遠回りをしつつ、言葉は少なくてもゆっくり距離を縮めていく甘酸っぱい関係だとか、ゴル爺やコルレオーネさんなんかの年長者との人生を感じさせる話や、たまにアイナとの賑やかなやり取り。

常連客との一色ではない、様々な触れ合いがとても心地良い。

 

色々と感じたのだけれど、文字に起こそうとしても中々表現しきれないのが歯痒い。

茶店とか静かすぎず、ゆったりとした空間で好みのコーヒーでも飲みながら、喫煙家の方は煙草でも吸いながら読むのにぴったりだということは確か。

 

読んだことが無いのなら是非ともお勧め。