東京皇帝☆北条恋歌1

東京皇帝☆北条恋歌1 (角川スニーカー文庫)

東京皇帝☆北条恋歌1 (角川スニーカー文庫)

【ストーリー】「そうだ。学校へ行こう!」東京皇帝・北条恋歌は親友にして東京帝国宰相の南徳原来珠が皇泉学園に転入することを知り、「面白そうだから」と自分も学園へ通うことに。だが、天然ボケな彼女の行動に学園は一気に大パニック!来珠のフィアンセ・一斗やブラコン気味な一斗の妹、さらに軍司令長官まで巻き込み、事態は帝国史上に残る大騒動に!?超VIP少女たちによる恋の専制主義が始まる!独裁的学園ラブコメ、スタート。

すいません、ストーリーの部分は公式のあらすじそのまんまです。ちょっとこの本のストーリー紹介は難しい…。

前々からちょっと気になっていたので、ラノサイに乗っていたのを機に買ってみました。


タイトルに偽りあり

タイトルは東京皇帝☆北条恋歌と銘打っておきながら、キャラ紹介のページではメインヒロインは恋歌の親友で主人公・一斗の婚約者で宰相の来栖(くりす)と書かれている上に、本編内でも皇帝・恋歌は空気で来栖にスポットが当たりまくり。

…何でタイトルは恋歌なん?


まあ、タイトルのことは置いといて、来栖かわいいよ来栖。

普段は自分の陰口を聞いたら即死刑の条例を立ち上げる(職権濫用ともいう)程の傍若無人ぶりが、フィアンセの一斗が少し不安がらせるとすぐ涙目になるという性格。なんと嗜虐心を刺激するキャラだ…!

惜しくらむべきは一斗にSっ気がないとこですね。もっといぢめてあげないとダメだよw


それに反して肝心の皇帝ですけど、ぶっちゃけ最後以外はまったく目立ってません。
唯一目立った模擬店周りの後のやっぱりヤダは良いんですけどね〜。濃いキャラクターがたくさんの中で存在が消えかかってる…。

まだ軍師のゆかり子さんのほうがキャラが立ってるし可愛いんですよね。
気になる引き方をしてましたけど、これからどうなるのやら。



と、持ち上げといて

どうしても致命的な部分があって十分楽しめなかったな…

キャラクターの作りとか親衛隊やら世界観の設定など個々としてみると結構面白いんですけど、あることでそれらがマイナスに働いちゃってる気がするんですよね。


ハッキリ言っちゃうと統一性がない。


この物語は宰相の来栖が一斗と学校生活を楽しむために色々はっちゃける(暴走する)ラブコメなんでしょうけど、なんか、

―実は東京が人外生物に襲われていて日夜戦闘が繰り広げられている―
とか、

―異界からもたらされたオーバーテクノロジーによってもたらされた人型兵器―
とか、

―実は主人公は特殊な素質の持ち主―
とか

―兄にべったりな妹―
などなど、

とにかくそういうテンプレートな設定を何でもかんでも詰め込み過ぎ…。

ストーリーに関わってくるのかと思えば全然関わってこないし、そもそもこれ、ブコメですよね?ちょっと説明されたくらいでまったく本筋に関係してこないんですけど?
1巻だから伏線だけ、ということなんでしょうか?
それともタダのネタなんでしょうか?それにしてはギャグっぽく書いてないし…。

しかもそれらがあまりにも脈絡がなく話題に上がるんで、読んでいてどんどん取り残されちゃうんですよ。
特に上記の人外生物とか人型兵器のテンプレ要素の説明なんてとてもじゃないけど読めない。作者が書きたいものを詰め込んだ、って感じがすごいする。

らき☆すたとかペルソナとか実名単語も無駄に使い過ぎて逆に読んでて白けちゃうし…。


総合

何かな〜、ラブコメだけに集中してれば良いのに無駄に色々書いたせいでマイナスになってる惜しい作品。
ブコメ部分だけだったら☆4つなんだけどな〜。

作者の人がもう少し「何を書くのか」ハッキリすれば良作になるかも。