ばけてろ 成仏ってしたほうがいいですよね?
ばけてろ 成仏って、したほうがいいですよね? (角川スニーカー文庫)
- 作者: 十文字青,みことあけみ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/10/01
- メディア: 文庫
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【ストーリー】首つり少年の幽霊を見た島原千夜子(天然・巨乳・空耳)は友達の兎我野メルカ(唯我独尊・巨乳・オカルトマニア)と共に、やる気なさそうな霊媒師(?)の刑天文院景敦へ少年霊を成仏させる依頼を申し込んだ。ところが幽霊を見ることが夢だというメルカの霊感を高めるため、セクハラ紛いのことをするし、本人も霊感はほとんどないという!
こうしてユルユルオカルトコメディは始まった!
…(゜Д゜)
●驚いた!
「薔薇のマリア」や「ANGEL+DIVE」など独特の世界観やシリアス展開に定評のある十文字青先生初の純粋ラブコメディ!
マジでこの本の作者はあの「ANGEL+DIVE」を書いている十文字先生なのか…!?普通…ではないかもしれないけどストレートにラブコメだ…!!
先生も最近は「ぷりるん。」など比較的読みやすい作品を書いていますけどこれは別次元でしたね。私の中で出来上がっていた「十文字青=シリアスで深い作品」という図式が見事に崩壊しました。
それ程までに強烈な『ラブコメ』でした。いやーホントに驚いた。
●でもやっぱりちょっと変わってる
驚くほどイメージギャップのあるこの作品ですが、それでも十文字先生が書いたと思える特徴が多々見られました。
例えば霊感のほとんどない無気力霊媒師(ただしスケベ)・景敦。天然というには度が過ぎている超天然の千夜子。普段は傍若無人な態度なのにオカルトのことになると人が変わるメルカ。
う〜ん…何と言うか変人なんだけど、その『ズレ』具合が十文字先生らしいキャラのように感じました。
いや、ズレてるって言うか…何か抜けてる?
彼ら以外にも、首つり少年・通称ケンジや宇宙人のミポルなんかも面白おかしいキャラなんですよ。
そしてストーリーの方も幽霊退治がメインなのか、オカルト(宇宙人など)がメインなのかよく分かんないカオスな展開のオンパレードです。
幽霊退治の方は護符や術を使って戦う陰陽師のようなものよりも、「鬼切り夜鳥子」のような怪異に対して怪異で対抗する妖怪バトルの方が近い感じですね。
でもシリアスになりそうでならないところから、そこまで異能バトルモノとして展開を進める気はないようです。戦闘シーンもそこまで重要視していないようですし。
それよりも見どころは登場人物たちのやりとり。
景敦以外のキャラが女ばっかり(ケンジを除く)で、景敦も最近メッキリ少なくなってきたオープンスケベな性格なので何かとエロい展開にもっていってました。
特に景敦・千夜子・メルカ・ミポルの4人でAV鑑賞会を始めた時はどんな拷問かと思いましたよw見栄を張るメルカのギャップも可愛いのですが、景敦があまりにも哀れw
トドメに千夜子の
「男の子って、なんか……せつないんだね」
には笑い崩れましたw
●総合
良い意味で色々驚かされました!☆4ですね。
コメディな雰囲気の中に少しずつ「何か」が紛れているのは気になりましたし、ちゃんと恋愛要素も入っていて満足です!
次巻にも期待しています!
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