陽気なギャングが地球を回す
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2003/02
- メディア: 新書
- 購入: 5人 クリック: 33回
- この商品を含むブログ (349件) を見る
【ストーリー】成瀬:嘘を見抜く名人。響野:演説の達人。久遠:スリの天才。雪子:人間精密時計。彼らは百発百中の銀行強盗だった。ある日、いつものようにスムーズに仕事を終えて逃げている最中に偶然別の現金輸送車襲撃犯に遭い、仕事の成果を車ごと奪われてしまったのだ。
取り戻しに動こうとするも、仲間の息子は虐めの事件に巻き込まれるわ死体が出るわ、不幸が立て続けに起こる!特徴的な四人の銀行強盗が巻き起こす都会派ギャング・サスペンス!
ub7637さんがおススメしていた作品を早速読んでみました。
●久々の非ラノベ…
何これ面白っ!
一般小説なのに読了後の爽快感がすごい!
一応文庫(非ラノベ)なんですけど、次々にトラブルが起こるスピード感のある展開や四人の銀行強盗の特技といった部分はラノベ読みの方にも十分楽しめる内容なんじゃないかな。
私も一般の小説はハリポタ以来(しかも途中で切った)という偏った読書をしてますけど、これは本当で楽しめましたよ。
というか、最近「とある飛空士」とか「狼と香辛料」とか読んでるとホントにラノベと非ラノベの小説って挿絵があるか無いかの差ぐらいじゃないか?なんて思えてきます…。
●陽気なギャングたち
要塞を攻略するがごとくの銀行強盗の計画にはドキドキさせられ、そして推理小説のような読者を騙す展開には驚かされるなど、この一冊で色んなジャンルの魅力が楽しめました。
次々に起こるトラブルは答えを手繰り寄せるかのように、答えが見えそうになるとまた新たな謎が生まれるストーリー構成は飽きが来ませんし、
全体の雰囲気もシリアス一直線でもなく陽気な成分が程良い感じにアクセントが効いている上に、展開の速さも相俟って最後までページを捲る手が止まりませんね!
四人のギャングたちもこのストーリーにすごくマッチしたキャラでした!
冷静沈着で頼りがいのある成瀬、演説大好きで快活な響野、明るく感情表現豊かな久遠、一見クールでも情に厚い雪子。
それぞれ変わった特技の持ち主でそれを十二分に活かしたストーリーも魅力的なのですが、何より全然違う性格の四人の絶妙な会話が楽しいです!淡々と、という程冷めてはないんですが、会話の内容とテンポが良かったな。
●総合
最後までずっとワクワク感が続く楽しい本でした。☆5つ!
ub7637さんは「ルパン三世みたいなノリ」と仰っていましたが、正にそんな感じですね。
特に最後、今までの複線を一気に回収する怒涛の展開には驚きました!その部分の爽快感は半端ないです!
あ、いまさら気づきましたが「重力ピエロ」の作者さんでしたか。