その恋と、その未来。
- 作者: 森橋ビンゴ,Nardack
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2015/05/30
- メディア: 文庫
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――好きだからこそ離れよう、そう思った。それが俺にできる、せめてもの抵抗だから――
冬休みに入り、未来とともに帰省することになった四郎。姉達への恐怖に加え、三好に対する申し訳なさを抱え東京に戻った四郎だが、彼以上に家庭不和な未来が家を飛び出してきて、松永家で一緒に年越しを迎えることに。以前とは少し変わった家族と、父の誘いで出会った西園幽子達と賑やかな日々を過ごし広島へ帰った四郎は、西園の恋人である三並や広美の言葉に自分の不甲斐なさを痛感し、未来への気持ちを断ち切る決心を固めるが……。待望の第三幕。
相変わらず
●
思春期の悩める心を描くのが上手いなぁ。
未来が好きなのに三好と付き合っている自身に嫌悪感を感じている
こととか、どうにもならない本心に戸惑ってたり、こっちまで苦しくなってくる...。
個人的にはサブヒロインと流れで一旦付き合うとかの当て馬展開はホントに嫌いなんだけど、これは四郎に同情を禁じ得ない。
わざと素っ気なくしたり、何とでもないように振る舞っても一緒にいるとどうしても嬉しい気持ちになってしまったり、要さんに嫉妬心を覚えて自己嫌悪したり、自分ではどうにもならない気持ちに振り回される四郎が見ていて辛い。
そんでもってそんな四郎付き合ってる三好も可哀想って思っちゃうんだよなぁ。
どう見ても心ここに有らずな四郎に想いを伝えようと頑張ってるのは、健気だけど見ていて辛い。ただ四郎も思いきってフラれる、ってことができないから一概に悪いと言い切れないしなぁ。
●
そんな誰もが幸せになれない現状をどうにか動かそうとしていた四郎にも
ようやく転換期が訪れて、これからどうなる!?ってとこで次回ですよ。
今回は大きく話は動かなかったけど、色んな人と接して四郎の内面が
大きく動き出した感じでした。
まさか前作主人公組とがっつり関わったのは驚きましたが、いい対比だなぁと
思ったり。
あと、姉ちゃんズとのやりとりはクるものがありましたね。何気にこの事は
四郎の内面が変わる大きなきっかけだったんじゃないかな。
●
次回に向けての溜め回、でも☆5。
四郎の苦心する描写とか、こういう表現うまいよなぁーって
ホントに思います。
どうか三好ちゃんが幸せになって欲しい!あ、でも広美ちゃんルートもアリだと思うんです。
亜人ちゃんは語りたい1
- 作者: ペトス
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: Kindle版
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バンパイア、デュラハン、サキュバス、雪女―。
僕らと少しだけ違う「亜人」、最近では「デミ」って呼ばれてます。
キュートな亜人<デミ>ちゃんたちには、キュートな悩みがあるのです。
新鋭ペトスが描く、ハチャメチャカワ亜人コメディ、ここに開幕!
亜人ちゃんはかわいい。
●
「モンスター娘の日常」のアニメが始まり、いよいよもって人外っ娘が流行りだしたなーと
感じている今日この頃。その中でも更に入門編な立ち位置のこの作品。
一巻ではみんな人型オンリーなんで、かなーりとっつきやすい部類ね。
「セントールの悩み」も好きだったけど、最近ストーリーがちょっと好みから外れちゃって
人外っ娘萌え成分が足りなかったからちょうど良かった!
あらすじにも書いてある通り、1巻ではバンパイア、デュラハン、サキュバス、雪女の
4人のデミちゃんたちが登場。
もし亜人が普通に社会に存在したら、という想定のもと
それぞれのデミちゃんと亜人ならではの習性とか生活観とか悩みがあって面白いし
属性を活かした新たな萌えポイントが散りばめられてて、そこがまた可愛いんだ。
亜人といっても、ほぼ人型だしキャラの下地が可愛いから『可愛い子が可愛い学園生活を送ってる
日常ラブコメ』といって差し支えないんですけど、そこに亜人要素が加わって余計に可愛い。
特にバンパイアちゃんはテンプレバンパイアとは真逆で明るくて元気だし、ぶっちゃけ全然吸血鬼要素無いしなー、とか思ったりしますけど、行動がイチイチ可愛いからいいんじゃないかな。
まぁ、そのゆるゆる具合が人外っ娘萌え入門編としては良いと思うよ!
あ、個人的に一番グッときたのはデュラハンちゃん。素直に「あーこういう娘すきだわー」と
思うし、一番デュラハンという属性を活かしてた!
●
普通に日常+ちょっとラブコメとして楽しめました。☆4つ。
人外っ娘萌え界隈の中でも入門編といわれる「モンスター娘の日常」よりも
更に初心者向けかな。言わば導入編。
普通の女の子よりもちょっと変わった可愛さが楽しめる作品でした。
土属性はダテじゃない!!
土属性はダテじゃない!! 新たなる挑戦者たち (一迅社文庫)
- 作者: 葉原鉄,泉水いこ
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2015/07/18
- メディア: 文庫
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かつて冴えないつまらないと周囲に軽んじられていた平凡な土属性の高校生が、その勇気と度胸で日本の危機を救った。あれから20年、特殊な体質と土属性の能力を持つ稲荷道郎は高校入学の日、火属性の埴本朱晴と出会い……再びとんでもない高校生活が幕を開ける!
おら、二重の意味で復活記念だぜ!
●まさかの
「プロデューサーさん、続編ですよっ!続編!」
何気なく一迅社のトップページを見たらあったワケですよ。土属性はダテじゃない!!の文字がっ!
前作完結から何年だよおい!とか思いながら超期待して発売日ソッコーで買いました。そして読みました。
結論は超面白かったよ!
前作から世界観はそのまま20年が経ち、見覚えのあるキャラもチラホラで前作読者の僕満足。
更には新主人公たちも魅力的だし、特に前作主人公とヒロインの娘が新ヒロインってのも新鮮!
●
ストーリーとしては、原因不明、突然日本近海に現れた精霊環境が異常な島を
主人公たち学生が学園生活を送りながら開拓していく、というフロンティアファンタジー?
全体的に前作よりも対話寄りでバトル成分少なめ?
でも精霊との共存という話の根幹からすると、今作の方がよりテーマにマッチしてる
ように感じました。
そんでもってやっぱりロリBBAだよね。知ってた。
作者恒例のロリBBA、前作の"のづち"がいるように今作登場する"なずき"がこれまた
イイロリBBA。
見た目は童女。齢はウン千年。セリフだけ見ればツンケンしてるけど実は人情に厚い
頑固おやじな見た目も性格もギャップに溢れる"なずき"がいいねぇ。
突き放した言葉の節々から溢れる優しさに母性を感じる。葉原先生流石だわぁ。
●
やっぱり面白い。☆5ですな。
目立ったモノは少ないかもしれないけど、堅実な文章と話の面白さが
あります。
ラブコメにしてもよし、熱血にしてもよし、エロにしてもよしと
エンターテイメントの塊な作品だとぼかぁ思う訳です。
ナナとカオル
- 作者: 甘詰留太
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2013/06/10
- メディア: Kindle版
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- 作者: 甘詰留太
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2014/01/29
- メディア: コミック
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高校のヒロイン・ナナと幼なじみの童貞・カオル。ナナへの妄想を続けるカオルの夢は、ナナにボンデージの衣装を着てもらうこと。なんて、叶うはずのない妄想に明け暮れるカオルだったが、運命のイタズラなのか、なんと目の前にはボンデージを着たナナが!! 夢!? ドッキリ!? いやいや現実(リアル)だ!! ふつふつと湧き上がるS魂……ナナとカオルの秘密の"息抜き"が始まる……!!
再開した直後の感想がエロい・・・しかもアブノーマルっぽいのはごめんなさい。
久しぶりにすごく”キタ”ので。
●前々から
どんな内容なんだろ?と気になっていたから、なんとなく1巻だけ買ってみたんだ…。
読み終えた頃、俺は最新刊まで買いに本屋に走っていたんだ…!
●エロい…エロいけど…!
すげぇ愛に溢れてる作品だった…!
正直、SMなんてS側がMを使って都合良く加虐心を満たすだけでしょ?みたいな
偏見を持ってました。でも全然違った。少なくとも、この作品に関しては違った。
S側のカオルのM側であるナナに対する深い想いと愛情が溢れてました。
あ、青春ものとしてもすごくよかったですよ!
●話としては
趣味はSMグッズ集め。周りからはキモイ、チビだの軽蔑され、笑われる
主人公「カオル」が、絵にかいたような文武両道・容姿端麗な学園のヒロイン
で幼馴染の「ナナ」と、ちょっと特殊なトラブルから始まる”息抜き”と称した
SMプレイが二人の関係を少しずつ変えていく。
という展開です。
そんな主人公に美味しい展開が〜、と思うかもしれないですけど、
ナナは徐々にMっ気を開花させて楽しみだしますし、何よりカオルの
ナナに対する愛情がほんっとに健気!
健気という表現はちょっと変かもしれませんが、加虐心を満たす目的は
多少なりともあっても、彼なりのナナへの愛情表現が強く出てて、Mである
ナナを愉しませるために頑張ってる姿に健気さを感じました。
この二人の関係を見ると、SMが何故、ただの暴力行為ではなく愛情行為として
扱われるのかが良くわかる。これは二人の関係に理解と愛が無いと駄目ですね。
●しかも
エロ抜きにしても、青春劇としてとっても面白いのがまた素晴らしい。
夢の為に優秀であろうと努力し、周囲の期待に応え続ける辛さと孤独を抱えるナナと、
そんな優秀な幼馴染との距離と自分のコンプレックスに悩みを抱えるカオル。
二人とも思春期としてまっとうな悩みを抱えていて、その悩みにすごく苦しんでいる。
その悩みを、”息抜き”を通じて少しずつ緩和させていって、お互いの絆を深めていく。
そんな(字面では)青春な関係がとても丁寧に描かれていて、そこがまた魅力的なんです。
まぁ、そこにちょっとSMという要素が加わっているのが別の魅力なんですががが。
●個人的に
主人公のカオルが大好き過ぎる。
見た目は全く主人公面じゃないし、ともすればブサイクなんですし、「俺なんかが、」が
口癖な程に卑屈なんだけど、ナナに対する尊敬の念とか想いの純粋さとか、
”息抜き”に対しても、ナナのためなら努力を惜しまない程、実はかなりの努力家である
ところが特に好き。
カッコイイ部分もいっぱいありますが、等身大な思春期男子な部分もあるし、情けない部分
も多くて人間臭いんですけど、それがまた魅力的なんですよね。
●総合
久々に漫画では大当たりを引きました。☆5つ。
下手な青春劇よか断然共感できるし、キャラクターも魅力的。しかもエロい。
11巻のナナの独白と”泣き”には涙線が緩みました…。ほんっとこの二人大好きだ。
おおっぴらに薦めるのは難しい作品ですが、中身は愛に溢れる傑作です。
気になったらこそっと買ってみてください。