小手鞠荘は末期です。……詳しく。

小手鞠荘は末期です。……詳しく。 (GA文庫)

小手鞠荘は末期です。……詳しく。 (GA文庫)

【ストーリー】「ねえねえ、アタシお風呂上がったけど、残り湯飲む?」
「庭に穴掘って住むか私の奴隷になるか、好きな方を選びたまえ」
 ……飲まないし穴も掘らないし奴隷にもなりたくないよ!

 女の子だらけの小手鞠荘にて、日夜奮闘する高校生、藤倉春樹。
 そんな彼の前に現れた新たな入居者は、宇宙からやってきた可愛い“ぷにぷに”少女で!?
「地球の方、ですよねっ。こんにちは、初めまして」
 純粋無垢な少女、ライムとの出会いにより、さらに巻き起こる大騒動。はたして春樹の明日はどっちだ!?


これは良いボーイ・ミーツ・ガール。


タイトルが…

最後まで読み終えた今でも理解できない…。「末期」って、具体的にどこらへんが…?と。
しかし、そんなタイトルとは反して内容は真っ当な異星間ラブコメでした。

ヒロインのライムとそのお付きのエステアは人間形態とスライム形態の二つの姿を持つ異星人という特殊な設定はありますが、本当にボーイ・ミーツ・ガールの王道を行くストーリーでしてねぇ。
特にライムが箱入り純粋お姫様なヒロインですんごい和んだ。小手鞠荘に住む変人たちに「そんなの普通だからw」とそそのかされて春樹ともども弄られるのが可愛いなぁ。健気で色んなことに興味津々といった感じが微笑ましいです。ホント、こうも純粋なお姫様キャラは久しぶり過ぎて逆に新鮮ですね。最初から最後までずっとニヤニヤできましたよ。

弄られ方とかハプニングイベントなんかは良くあるようなものなんですけど、作者の文章力がすごいのか全然テンプレな感じがしなかったなぁ。買い物に行ったり、みんなで騒いだりとやってることも特別なことなんてないのに普通に楽しんで読めました。度々ライムが異星人であることを意識させられる展開もあって飽きなかったし。

ただ一つ、スライム形態に変身することができるという設定の必然性がイマイチ良く分からなかったな。普段から人間形態でいるのが普通みたいだし、これといって物語上が見当たらない…。
まぁ、肝心のストーリーがしっかりしてたから全然オッケーなんですけどね。


総合

☆3,6!おまけで☆4にしておきましょう。

なんとなしに読んでましたが、特に突出した部分は無いのに最後まで楽しめたっていうのは実はすごいのかも…。
本当にストーリー自体は先の展開も読める王道なのに面白かったです。
小手鞠荘の人々にスポットが当たる機会が少なかったのは惜しかったですが(特に柚)、春樹のことを含め、まだまだ謎も残っているようですし、続きが楽しみです。

2巻も期待してい待っています。