新妹魔王の契約者-テスタメント-1
- 作者: 上栖綴人,大熊猫介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/09/29
- メディア: 文庫
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【ストーリー】「お前、妹が欲しいって言ってたよな」高校生の東城刃更に再婚宣言した父は、義理の妹になる女の子二人を連れて同居させた。と思ったら自分は海外出張へ行ってしまう。澪と万理亜、二人の少女は父が家を離れるや態度を一変させ、刃更を圧倒しようとする。二人の正体は、新米な魔王とサキュバスだった!だが刃更と主従契約を結ぼうとして誤って逆契約、刃更がマスターの立場になってしまい!?
流石だと言わざるを得ないエロスの全力投球。
●この作者の作品は
以前にも「ギブあっぷ」と「はぐれ勇者の鬼畜美学」を読んでいたので絶対にエロいと確信を得ていました。
実際はどうだったか?
えぇ、凄くエロかったですとも。ヒロインの理性のタガが徐々に外れていく描写だとか快楽に悶える姿なんかを書いたら一級ですねこの作者は!状況描写だけじゃなくて心理描写も濃厚だから余計にエロイ!
大体、この作者が描くヒロインは9割がマゾっ気があるような…。良い趣味してますね。
ちなみに挿絵の7割くらいはそっち系でした。角川スニーカーも随分変わったものです…。
●ちゃんとアクション要素もあるよ!
「はぐれ勇者」と同じような勇者+魔王でラブコメアクションでしたが、1巻ということもあってかラブコメ要素が強めでしたね。
いきなりの義妹二人の登場に幼馴染との再開など、王道展開まっしぐら。「はぐれ」の方がアクションよりなら、こちらはラブコメよりかな、という印象。
ストーリー自体も各勢力に狙われるヒロイン、隠れた実力をもつ主人公とありふれた感があるのですが、それを感じないのは流石といったところですかね。登場人物たちの心理描写が丁寧だからストーリーや設定自体がある程度チープでも感情移入出来ますし。
大枠のストーリーを凝っていくよりもキャラ達の思惑を追っていくタイプの面白さですね。
主人公の能力がチート級な上に敵がどうも本気出してない感じがするし、主人公たちが手のひらの上で踊らされているようでどうも熱くならないのがちょっと残念。
●キャラに関しては
澪は最近のメインヒロインにしては珍しく(珍しいのが悲しいですが…)、自分を守ってくれる刃更に対して感謝していますし、守られているばかりではなく行動に移すところが好感触。思考が真面目でシリアス寄りになりやすいですが、そんな彼女を全力でおちょくってくれる相棒の万理亜がなんとも良いキャラ。
個人的には幼馴染の柚希を推したいところですが、青+幼馴染+刀剣類での接近戦キャラと、とあるキャラを彷彿とさせる属性で不安なところ…。(カラー挿絵とか思いっきりさやかちゃんじゃないですかヤダー!)
●まとめ
総合☆四つですね。
久しぶりのエロ前面推し作品を読みましたが、やっぱりこういう作品を描けるのはすごいことなんじゃないかと再確認。ある意味感情を揺さぶられますからね。
ちょっと設定とストーリーがチープなところがありますが、それに目をつぶればかなり面白いと思います。もしくはこれからストーリーも面白くなっていくのかな?
次の巻も期待しています。