オウガにズームUP!

オウガにズームUP! (MF文庫J)

オウガにズームUP! (MF文庫J)

【ストーリー】犬伏ユージが学校にも秘密にしていること。それはクラスメイトの井上ククルと結婚し、同棲までしているということだ。しかし、ユージは「ロリコンだったらよろこべるけど・・・」と醒めている。それは、春から共学になった秋島学園でどんな彼女ができるかと思いを馳せていたのに、結婚したのは小学生なみの容姿をしたククルだった。そもそもなぜククルと結婚なんてしたかと言うと・・・

素敵に不思議な雰囲気でほんわかと楽しい、穂史賀雅也の新シリーズ!


ロリコンになりたい。
こんな言葉で始まる物語で、最初はどんな内容だよ!?と心配しましたが予想以上に面白かったです。
ストーリーの始まりは高校入学式の夜、今まで男子校だったユージは高校が共学になったことで浮かれていて、アイスを食べようとお気に入りの公園に向かっていた。そして「ある事」をしてしまったせいでククルと結婚することになります。
結婚までの流れに関してはラノベの中ではそんな珍しいことではないんですが、ユージとククルのキャラが今までにない組み合わせで新鮮でしたね。

主人公のユージは性格も性癖もいたって普通の高校生。だからこそ、見た目小学生のククルに動物的かわいらしさは感じても、異性として意識することができないんですね。
ククルは性格はクールで見た目はロリですが、結婚した夫のため、あの手この手と甲斐甲斐しくユージに喜んでもらおうと頑張ります。

ユージは玄関から声をかけた。
「ただいまー」
廊下を歩いてククルが現れる。
「お帰りなさいませ、ご主人さま」
「・・・」
(中略)
「どうだ」
「どうだって、なにが?」
ククルは不満げな顔をする。
「お前はメイド服に興味がないのか?」

口調や態度がかなりクールなのに行動がかわい・・・っは!?違う!私はロリコンではない!
っていうか、本当にククルは動物的に可愛いんですよね。主人を喜ばせようとしている犬みたいな?
色々試すけど、これと言って効果がなくて落ち込んだり、それでも諦めずに頑張るところが見ていて微笑ましい・・・

あと、主人公にかなり好感を持てたのもプラスでした。
仕方なしにククルと結婚したにもかかわらず姉にククルのことがバレそうになったとき、体を張ってまで庇おうとする姿勢は同棲モノにしては珍しく男らしかった。
最近ラノベでもアニメでも、ハーレムものとか主人公がモテまくる話は多いですが、見ていて違和感しか感じないんですよね。ちょっと優しくしただけで惚れる女なんていねーよ!って言いたくなります。主人公に魅力がない作品はどんなにストーリーが良くても読み続けることはできませんね。
この作品に関しては納得できるだけの魅力が主人公に感じられたので、全体の評価が上がりました。

既に二巻も出ていますが、安心して読める内容になっているのでこのままこのシリーズが続いてくれるとうれしいです!