電波女と青春男

電波女と青春男 (電撃文庫)

電波女と青春男 (電撃文庫)

ジャンルが定まらなかった…

【ストーリー】田舎の学校から宇宙が見守ると噂される町に転校し、これから青春ポイント獲得への道はスタートした。でも居候先には電波女・藤和エリオがいて青春ポイント獲得への道は険しそうだ…。天然癒し系な爽やか健康娘・リュウシさんや、モデル張りに高身長のコスプレ娘・前川さんなど、ポイント上昇の機会に恵まれたにもかかわらず、隣には布団ぐーるぐるな従妹が。俺の青春は、いったいどーなんの?


「みーまー」はちょっとヤバそうな気配がしていたんで読んでいないのですが、これは表紙を見てビビッと閃き購入。
若干不安はあったんですが面白かったよ〜

ただこれはどういったジャンルになるのかね?恋愛もの?…ではないよね、今のところ。じゃあ学園もの?…いや、正直学校内の場面は少なかったし…。
とりあえず一言でまとめると、主人公・丹羽真が青春ポイント(同級生の女の子と昼ご飯を食べる等)を増やすために頑張る話かな。


田舎の学校から憧れだった都会へ転校することになった真は叔母の家に居候することになり、田舎での平凡すぎる毎日とは違う青春を味わうために意気込むが、居候先には布団ぐるぐるの従妹・エリオがいた。なんでも彼女は宇宙人でこの町に潜んでいるらしい…、ぶっちゃけて言うと電波女だった。

大体この話の主軸は、延々と電波話をするエリオや妙に懐いてくる叔母・女女さん(39歳)に真くんが振り回されるという感じですね。
地の文は真くんの一人称形式で進むんですが、言い回しがかなりややこしくて読みにくかったりするんですが、キャラクター達が変人ばかりで面白かったですね。

エリオが変なのはデフォルトですが、叔母の女女さんは変にキャラ作ってるし、クラスメイトの前川さんのコスプレの対象がサンドイッチやナスなど変わったものばかりなど、登場人物の奇抜な行動が笑えました。
他にも、クラスメイトのリュウシさんも変わっていると言えば変わってはいますが、そのちょっと変なところがまた可愛かったです。

あと、好き嫌いがわかれると思いますが、私はこの本のキャラクター達の会話が結構好きでしたね〜。

「駅に行く為の交差点まではあたしと一緒の道だね」
「ほほぉ」理解度さっぱりなのにしたり顔で顎を引く。だから俺は成績が以下略。
「つまるところ、どーし!」
「おーし!」

このちょっと変だけれど、適度なゆるゆる感のある会話が気に入りました!


変な話題ばかりですが、

でもエリオの布団ぐるぐる状態の理由が結構シリアスでして、その設定は何やら不思議さを醸し出していました。
シリアスパートに入ってからは遠回しな言い方も少なくなってテンポが良く、読みやすくなりました。なので前半であきらめず、最後まで読んだ方がいいですね。

後半はエリオを布団の中の世界から引きずり出そうと真くんが頑張るのですが、ここは青春っぽかった!
無茶やって馬鹿な目を見る、といった青春独自の雰囲気がとってもスッキリした感じでよかったです。


話し全体としてはちょっと歪だったかもしれませんが、その歪んだ感じがこの本の味なんでしょうね〜。
でも終わり方は本当に綺麗でした。2巻もこんな感じなら評価は☆4になるかも。