聖剣の刀鍛冶#6.NewWarld
- 作者: 三浦勇雄,屡那
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 文庫
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【ストーリー】セシリーは「聖賢の鞘」という役割を背負っていることを知った。それでも彼女はルークなら自分を救ってくれると信じる。そしてルークも彼女をそんな運命から救う聖剣を打つために更なる情報を得ようと、初代ハウスマンの生家を訪れることに。その頃、独立交易都市では軍国・帝政列集国を交えた大陸会議が始まろうとしていた。会議に出席する顔ぶれの中にはあのシーグフリートの姿も…。
アニメ化の計画も着々と進んで人気がウナギ登りですね〜。
ですがこの6巻はちょっと失速気味。
今回の話を簡単に要約すると、
ルークは前回の「聖剣の鞘」の一件でようやく聖剣の鍛練に本腰を入れて取り組む決意をし、そのためにまずヴァルバニルの情報を得るようと初代ハウスマンの生家を訪れます。
そして同時期に独立都市では三国を交えた大陸会議が行われようとするのですが、それまでに帰ってくるはずのルークたちが帰ってこない!
しかも大陸会議に出席するシーグフリートと帝国は怪しい動きを見せる…
こういう流れになります。
5巻での小休止が終わり、一気にストーリーが加速しています…が、今回はちょっと楽しめなかったな〜。
状況が激変するとは予想していましたが、あまりに予想どうりにことが進んでしまうので展開も見え見え。
特に緊迫感のあった戦闘シーンまで随分とあっさりとしていたのはガッカリ。あの熱い心の脈動が全然感じられませんでしたよ。
今までならどんな窮地に陥っても決して屈せずに立ち向かっていったセシリーたちがあそこまで簡単にやられてしまうのは、ストーリー的にセシリーたちの敗北が必要な流れだったとしても納得いかないな〜。
負けるにしても、もっと濃い内容の戦闘シーンは書けなかったのかな?
MF文庫はページ数の規定が他と比べると厳しいのだと思いますが、とても200ページちょいで済ませて欲しくないです。
何度も何度も立ち上がっても敵わない程の相手!といった演出を見せて欲しかった。
その後の展開に関しても簡単に事が進み過ぎなんですよね。
前回からセシリーたちと行動を共にしているユーインも結構活躍して頑張っているんですが、描写が足りないのでその頑張りがわかりずらい。
ルークやセシリーが帰って来ないままに行われた大陸会議にしても緊張感が伝わってこなかったし、その後の戦闘なんて端折りに端折っているので楽しむべき個所が見つからなかったです。
レジナルドさんなんか5巻でせっかく株が上がったのに、それなんてヤムチャ?って思うくらいの活躍。いくらなんでも扱いが雑過ぎません?
ここまで書いてて気づきましたが、全体的にダイジェスト版と言うか…端折り過ぎているんですよね。
ちょっとネタバレかもしれませんが、最後にセシリーがあるものを見て絶望する終わり方になっています。その部分も、それまでの過程の内容が薄すぎて読んでいるこちらにその絶望感が伝わってこないのです。
絶望的な展開だとしてもとことん絶望させてくれないと、次回への期待が薄れてしまうんですよね。
今回は上・下巻構成のようなので、取り敢えずの解決にならないのはいいんですけど、それにしても内容にボリュームが足りないと感じました。
7巻で挽回してくれることに期待します。