オウガにズームUP!4

オウガにズームUP! 4 (MF文庫J ほ 1-7)

オウガにズームUP! 4 (MF文庫J ほ 1-7)

【ストーリー】犬伏ユージは夏休みに入ってもとくにすることもなく、『学園クロニクル』ばかりしていた。そんな“夫婦”生活を同棲中のククルにとがめられるのだが、ユージはククルの顔が赤いことに気づく。どうやら熱が出ているらしい。「海に連れて行ってほしい」というククルを寝かしつけて買い物に出たユージが家に戻ると、台所では見知らぬ金髪美女が裸エプロンで食事の準備をしている!? アリアンナの説明によるとどうやらこの女性はククルで、オウガ熱に罹って大きくなったというのだが……??? はたして“ひと夏の思い出”は作れるのか!? ほんわか穂史賀ワールド、急展開!


え…?

中盤から何故か急いでいる感じがしましたが、まさかの最終巻!?

作者のあとがきから察するに、これは打ち切りですか?
ほのぼのとしていて、ちょっと甘酸っぱい感じの雰囲気は結構気に入っていたのでショックです…。


それでも内容は相変わらずで楽しませてもらいました。

ククルが熱を出してしまった時の普段のつれない態度とは正反対に優しいユージは口で言わなくてもククルが大切なんだなー、と感じさせてくれましたし、ククルの罹った病気はオウガ熱という一時的に大きくなってしまうオウガ族特有の病気で、自分の好みにストライクな大人の姿のククルに浮かれつつも、素直になれない意地っ張りさがリアルな思春期の少年らしい姿にニヤニヤしてしまいました。


クラスメイトの勇魚(女子)とユージの友達その1・如月の話もよかったですね。
意外にも同じ趣味の持ち主で、最初こそ「男子なんて〜」という態度だったのに、話が弾むうちに如月のことが気になってしまう初々しさが良い!他の女子と出会っている場面を偶然見しまい、ぐるぐる考え込んでしまうとこなんかはホントに可愛かった!

他の方の感想を見てみるとここは削って良かったんじゃないか、という意見もありますが、個人的にはこのシーンはあってよかったんじゃないかと思います。
まぁ確かにその分後半が駆け足になっていたのが残念でしたけれど…。


総合

☆4つ。

あ〜、ホントに残念。もっとこのシリーズは読んでいたかった。
等身大の少年の描写とか、あったかい雰囲気とか光るモノは色々あったと思うんですけどね。

この巻で綺麗にまとまってはいましたが、せめてあと2巻くらいあればもっと綺麗に終わらせられたと思うのにな〜。


ともあれ、とても楽しませていただきました。次のシリーズも期待しています。