スノウピー、見つめる

スノウピー1  スノウピー、見つめる (富士見ファンタジア文庫)

スノウピー1 スノウピー、見つめる (富士見ファンタジア文庫)

【ストーリー】「あなたたち人間のことも、TVで観て概要はよく知っているの」と彼女は言った。澄んだ瞳で僕を見つめ、遠慮なく分析する。「戦争が大好き。基本的に不条理。傾向として変てこ。…でも、見ていて飽きないの。つまり、知的好奇心を刺激されるの」
――とびきり可愛くて、勇敢で、クールな女の子、スノウピー。彼女を異世界から連れて帰ってしまった”僕”は、部屋を提供したうえ、同級生になった。知的好奇心旺盛なスノウピーがまっさらな目で見つめる世界は、僕にとっても新鮮なことばかり。だけど、小説家志望の可香谷さんはなぜかおかんむりで……。女の子って難しい!


えっと…

読み終わって直ぐにこの感想書いているんですが、正直何を書けばいいかわかんないっす。

ストーリー自体はクールで人間に興味津々(?)な異世界の女の子・スノウピーと、不思議な出来事に縁のあるちょっと浮いた感じの主人公のボーイミーツガールのような話。「ような話」にしたのはボーイミーツガールと言いきっても良いのか疑問だったから。


とりあえずストーリーは置いといて、物語は主人公の一人称視点で語られるのにその主人公の人間性の無さは致命的。
正直この主人公は人間じゃないスノウピー以上に人間とは思えなかった。ぶっちゃけ行動と言動が奇妙過ぎる。


無感情じゃないけど、感情を感じられないんです。いや、何言ってるかわかんないと思いますけど、そうとしか表現できない…。

会話とか行動が、一応成立はしてるんだけど成立しているだけで、未完成の感情プログラムを入れたロボットが行動しているような人間の行動としては違和感を感じるんですよ。

そもそも主人公の名前が無かったり、逐一地の文に「〜は言った。」「〜だと思った。」みたいな一歩引いた目線の人物の行動描写が多いのもその違和感が大きくなる要因なのかも。


良いところは結構あったかもしれないけどこの違和感のせいで色々と台無しになってたのが残念です。




だけど

可香谷さんは中々よかったなぁ。
「小説の取材なんだからねっ」と言いつつ主人公に振り向いてもらおうと映画やケーキ屋に誘ったり頑張るとことか、スノウピーを紹介された時の嫉妬具合がかわえぇ…。

え?テンプレートなツンデレじゃないか?

そんなことはない。

確かにツンデレかもしれないけど、純粋な性格とそこからくる嫉妬や主人公の鈍感さに悩まされる姿はテンプレなツンデレキャラには見られないものですよ!

正直な話、この本の中は彼女が居なかったらもっと評価は低かったかも。



総合

☆2つ。

とにかく主人公とその一人称で語られる地の文が受け入れられなかったです。
そのせいで物語が遠くなっちゃって、感動的なはずのラストもまったく感動できませんでした。

…もしかすると、地の文というより描写の仕方が合わなかったのかも。
もう少し他の方の感想を聞いてみたいところですね。


これで銀賞となると、金賞の「へヴンズ・ダイアリー」もちょっと見送ろうかな…。



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