宝城瑠璃華は止まらない!
- 作者: 箕崎准,あおなまさお
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2010/07/17
- メディア: 文庫
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【ストーリー】宝城瑠璃華。それは知性、美貌そして財力。持たないものは何もない完全無欠のお嬢様。
そんな彼女を幼なじみに持つ水月君人は、瑠璃華の意外な秘密を知ったことで、一つ屋根の下で一緒に共同生活を送る羽目になるのだが……。
●久しぶりに…
ちょっと評価に困る作品でした。
その理由は後ほど。
●内容は
家が没落してしまった元お嬢様の瑠璃華は、成り行きで再会した幼馴染の君人(庶民)の家に居候することになる、という話。
水道水は普通飲めないモノじゃないの?と、普通にお茶を作るのにも高級なミネラルウォーター。病人食でさえおかゆではなく、一流シェフが作るリゾット。そんな富豪の家庭で育った瑠璃華の一般人との常識のかけ離れっぷりは結構面白かったです。
そんなある意味非常識なお嬢様に対して、ただでさえ少ない親からの仕送りを切り詰めながら頑張る君人(ひろと)が良いヤツすぎる…。いくら惚れた相手だからってここまで出来る男はそうはいないですよ。しかも彼女のメイドの胡蝶さんには大事なコレクションの破棄を迫られて可愛そすぎる…w
その胡蝶さんも「お嬢様一筋!」と変な方向にキャラが立ってて笑えますが、瑠璃華以上に目立ってるのはいいんだろうか?
正直彼女との会話が一番面白かったかも。
君人のコレクションに対して「お嬢様の瞳にそんな汚らわしい物を触れさせたら、ただじゃおきませんですよ。」とか言いながら自分が一番変なもの見せてるしw
●で、問題点は
話の後半、瑠璃華の母親の首飾りが借金のカタに質に入れられ、取り戻すために100万稼ごう!という展開になってからちょーっとおかしな方向へ…。
原因はそれからの瑠璃華の行動、というかニート化。
一度ファミレスをクビになってからの彼女の行動が酷過ぎる。
親の問題のせいで働き口がなかなか見つからないのは仕方がない。でも胡蝶がやっているような内職なら『完全無欠のお嬢様』であれば能力的には問題ないだろうし、働かなくても家事など他にも出来ることは色々あるはず。
なのに働いている2人に甘えて何にもせずテレビや漫画の娯楽を享受し、挙句、3人の生活のため&瑠璃華の大事な首飾りを買い戻すために一生懸命働いている君人に対しての構ってちゃん行動。
結婚もしくは付き合っていたとして、男が仕事を優先するあまり彼女を放っておいた場合の「仕事と私、どっちが大切なの!」は分かります。
でも瑠璃華は君人の好意(厚意)で一緒に住んでいるだけであって二人の関係はそんなに親密なものではないですよね。
そもそも今の最優先事項は首飾りを取り戻すことでしょう?数十ページ前と言っていたことが矛盾してますよ。
何だか他の人もこぞって君人が悪い、みたいに言いますけど私はそうは思わないな。
生活することさえ厳しい中、更に他の人が首飾りを買ってしまう前に百万円を稼がなくてはいけないというギリギリな状況でやるべきは、本当に彼女と一緒にいることなの?
●総合
以上のことから、冷静に考えても☆2つかなぁ…。
キャラ立てや設定は面白いんですがねぇ。
どうしても、何かしらの努力しているようには見えないヒロインに魅力を感じられない。
ちょっと次の巻が出ても見送りかな…。