友達からお願いします。
- 作者: 清水マリコ,熊虎たつみ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/11/21
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
【ストーリー】楓はとにかく大人しく生きていきたい普通の高校生。女子は苦手だ。だがある日、妙なきっかけが元でクラスメイトの木蓮と特別な仲になった。この一風変わった学校一の美少女は、完全無欠に見えて実はド天然、喋り方もなんだかサムライみたいだ。交わらないはずの二人が共通の秘密を持ったとき、楓の日常が前に動き出した――。「もっと、本当のことが言いたい」植物系男子とまっすぐ女子の青春ラブ(?)コメディ、開幕!
最近良質のラブコメが増えてきて嬉しい。
●特に
大きなイベントだったり出来事は起きず、主人公とヒロインがすこーしずつお互いを理解しあって距離が縮まっていく堅実な恋愛もの…現段階では青春(友情)ものかな?でした。
何かとヒロインと急接近するラブコメが多い中、地味かもしれないけれどこういった何気ない日常を通して、二人の距離が徐々に縮まっていくお話は大好物です!「ありすさんと正義くんは無関係ですか?」とも似た雰囲気を感じました。あちらの作品はヒロインたちが賑やかですが、ちょっとずつお互いの素顔が見えてくる話の展開はこの作品と同じ空気ですね。
●不器用だったり
真面目すぎる娘って中々に可愛いものなんですねぇ。
真面目なところが長所でもあり、突き詰めて考えないと気が済まない生真面目さで面倒くさい。こっちがもういいよ、って言っても全然納得しなったり、気が済む落ち所を作らないと下がらない面倒な娘。それが今作のメインヒロインが木蓮です。
確かにこう言う奴は現実にも良くいますよねぇ。良いヤツではあるんですけど、何かとめんどくさい。でもそんな面倒なところがそいつの良いところでもあったり?木蓮みたいなめんどくさい感じの娘が好きと言う作者の言いたいことがなんとなーくわかる気がします。
実際本編読んでると木蓮はめんどくさいことこの上ないですねー。楓が気にするな、と言っているのにそれじゃ私の気が済まない!といってずぅっと喰いついてきたり、軽く口にしたことを深刻に捉え過ぎて落ち込んだり。もう少し気楽に考えなよ言いたい。でも言ったとしても結局この性格は変わらないんだろうな―と思わせるドストレートな性格なんですよね。
行動も確かに必要のないこと、むしろやらない方がスムーズにことが運ぶことばかりですが、ちゃんと筋を通そうとしている姿に不快感は湧かず、結局のところちょっと不器用なだけだと思えました。
●もう一人の
ヒロインの彩香は中盤まであんまり目立ちませんが、いざ楓と話し始めると印象がガラリと変わって、まぁ面倒と言うか複雑な子でして…。王道展開を利用したある意味ミスリードなのかもしれませんが、すっかり彼女の性格に先入観が入ってしまいました。
ただ彼女も木蓮とは別のベクトルで面倒くさい…というと世の女性に反感を喰らうかもしれませんが、もう少し最初から楓としっかりコミュニケーションとっておけばこうも複雑なことにならなかったのになぁ。
でも前半とは打って変わった後半からの素直なサバサバした性格は正直かなり好きですね。これもツンデレと言えるのかな。
●そんでもって
何気に良かったというか共感を得たのは楓ですね。
微妙に行動がキョドってるとことか細かい反応もですが、彼のトラウマにはすごーく共感しました。かっこつけとか見栄っ張りって子供っぽいかもしれませんが、男なんてかっこつけてナンボですし、どんな時でもカッコつけたがるのが男の性ですからこればっかりはしかたないんですよね。ただ楓は運が悪かっただけ。結果はどうあれ行動に移せることはやっぱりカッコ良いことですよね。
●総合
☆4つ!
ゆったりとお互いの仲が深まる話は久しぶりな気がします。
ちょっと地味かもしれませんが、徐々に進んでいく関係がまたドキドキを誘って楽しみです。
次の巻はどうやら色々動きだしそうな気配がしますし、期待してします。