バベルスターズ
- 作者: 奈坂秋吾,コバシコ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 文庫
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【ストーリー】 人間が『ヒュマ』、動物が『アニマ』と呼ばれ、共に知恵を持つ世界。両種族の間に生まれた獣人『ミクス』は差別と羨望の対象となっていた。
そんなミクスとヒュマが通う、世界最後の共学校、「塔城共学」に廃校の危機が迫る。学園のピンチに、謎を秘めたヒュマの新入生・獅子山竜巳と、ハムスターのミクス・星野小葉夢の2人が立ち上がった──。学園アニマルファンタジー開幕!
諸君 私は獣耳が好きだ
諸君 私は獣耳が大好きだ
犬耳が好きだ
猫耳が好きだ
狐耳が好きだ
狼耳が好きだ
ウサ耳が好きだ
鼠耳が好きだ
狸耳が好きだ
ラノベで 漫画で
アニメで コスプレで
この世界に存在する ありとあらゆる獣耳が大好きだ
表情とはうらはらに本能的に動いてしまう尻尾が好きだ
毛がもふもふした描写を読んだ時など心がおどる
ベースとなった獣っぽさが表れている様など感動すら覚える
獣っぽく純粋な姿などもうたまらない
支倉凍砂の描く、殆ど毎ページに渡って描かれている尻尾と耳は最高だ
動物形態に変身するとなると絶頂すら覚える
諸君 私は獣耳を望んでいる
諸君 私と志を共にするケモナー諸君
君達は一体 何を望んでいる?
更なるケモノミミキャラを望むか?
狂おしいほど愛おしい獣耳を望むか?
表情が顔以上に現れる尻尾を望むか?
(ガガガガ ガガガガッ と手を上げた部下達が口々に)
ケモノミミ ケモノミミ ケモノミミ
「 獣耳!! 獣耳!! 獣耳!! 」
よろしい、ならばケモノミミだ!ヽ(´∀`)ノ
●ケモノミミが
普通の人間と共存する世界というこの作品。正直こんな世界に行けるんだったら死んでもいい…(大真面目)
ファンタジー世界ならあたりまえの如く登場するケモノミミキャラですが、現代が舞台の割とリアルテイストなこの作品。動物との間に子を成せる技術が確立される以前から、人間以外の動物も言葉を操れるという設定はちょっとファンタジーですけどね。
●人間と動物の間に生まれた
新たな種族として「ミクス」、まぁ所謂ケモノミミ(鳥類とかもいますが)が登場するのですが、リアルな現代が舞台と言うこともあって、やはりというか「ミクス」は見下されたり、差別される傾向があるんですよね。
はっきり言ってしまえば、この作品の主軸はその差別や偏見に立ち向かう話です。
動物の血が混じっているイキモノに対する差別や偏見に、主人公たちが友情を確かめ合いながら立ち向かっていく。
正に王道。
●なのですが…
ケモナーとしての欲求は全然満たされなかったよ…。
厳しいことを言えば、これ、ケモノミミでなくても良かったんでない?と思わざるを得ないと言うか。
確かにところどころ動物とのハイブリット故の能力が出てきたりしますが、能力だけであんましそのキャラ自体の描写が薄い…。
それだったら超能力を持って生まれた子供、とかでも良いわけですし。
ケモノミミに限った話ではないのですが、キャラに属性的な特徴があるのにその特徴を最大限に活かせないのはもったいないですよね。
他の属性で言えば、妹キャラで言えば細部は違えども、属性を最大に活かした魅力を引き出している作品はいっぱいあると思います。貧乳キャラなんてどの作品でも弄られまくってるじゃないですか。しかも、それがそのキャラの一部としてちゃんと機能してますよね。
何となく私が感じていることなのですが、数ある属性の中でケモノミミって軽視されがちな属性だと思うんですよ…。悲しいことにラノベだと特に。
ケモノミミ描写が素晴らしい作品と言えば「狼と香辛料」ですが、あの作品は経済がメインの話であるにもかかわらず、実はホロが出ている場面の大半は耳か尻尾の描写があります。
ラノベにおいてあれほど作者のケモノミミ愛を感じる作品はないですよ。
●話を戻して
ケモノミミを除いた部分はどうか、と言えばまたちょっと魅力が薄い。
主人公がアクティブな偽悪者で色々頑張ってるんですが、偽悪が見え見え過ぎますし、それに対する他のキャラの反応もまたわかりやすい…。
正直、中盤になる前くらいで展開が読めてしまうんですよ。
例え展開が読めたとしても話に夢中にさせる何かがあればそれは王道として楽しめるんですが、その何かが無いからテンプレ感が漂ってしまうんです。
この作品独自の、この作品にしか無い魅力だと感じられる部分がなかったんですよね。
●まとめ
ケモノミミ好きだからこそ、敢えて厳しく☆2つ。
設定や世界観はとても良いんですが、それを活かしきれなかったのが本当に惜しい。
話の展開や、魅せ方という部分で、もっと引き込まれる何かがあれば一気に面白くなると思うのですが…。
つまらない、というワケでは無いのですが、じゃあ何が魅力的か、というと中々出てこない。
もっともっと作者のこだわりを感じたかったなぁ。