俺のかーちゃんが17歳になった
- 作者: 弘前龍,パセリ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 文庫
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【ストーリー】澤村隆史、高校2年生。ある日学校から帰宅するとそこには見知らぬ女子高生が!「隆史、おかえり〜」って、まさか俺のかーちゃん!? いったい何があったのかを探るために、引きこもりの妹、優香と一緒にかーちゃんを尾行をすることに。どうやら巷で噂の「17歳教」に入ると、「永遠の17歳」になれるらしいが……。17歳の母親による、ハートフルホームコメディ!
カーチャン…('A`)
●おぉい…
てっきり「おかーさん若返っちゃった☆キャピ」な流れで一緒に高校に通ってドタバタなコメディと思ったらかなり真面目な話じゃないっすかぁ…。
最初こそカーチャンの意図がまったく読めなくてどんな話になるのかと思いましたが、17歳教の部分を除けば一家を支える優しくて強い母親で中盤以降は感動しっぱなしでした…。ラノベは片親設定よくありますけど、まさかこうくるとは思いもしなかったなぁ。
●”母は強し”
と言うように、どこの聖人君子ですかと言いたくなるほどいつもニコニコ優しくて強いカーチャンですが、苦手なことに戸惑ったり、辛い思いをして悲しんだりと、やっぱり普通の人と変わらないということを痛感させられました。
それでも大切な家族の為に身を粉にして頑張って、でも家族の前ではいつもニコニコ笑顔でいるんだからもうね、涙なしには読めませんよ。
「これが当たり前なのよ。だって私は、隆史のお母さんだもん」
この一言がどれだけすごいことか…。
世のお母様方(父親もでしょうけれど)も、少なからずこうなのだろうからねぇ、親ってのは強いなぁ。
●子供たちも頑張ってます
特に主人公なんて突然母親が同い年になるし、妹は引きこもりで彼女はちょっとワケありっぽい、と随分振り回されっぱなしですが、母親のことを信じて一本筋を通す姿がカッコイイですね。彼女とちょっと不和を抱えてもちゃんと誠意を持って応え、妹も大切にしてて本当にカッコイイ。
というか、家族みんなが無私の心でお互いを支え合っているって感じがすごく良く伝わってきました。特におばあちゃん登場からはヤバかったなー。おばあちゃん無理しないで!とすっごくハラハラしました。
色々突っ込むところはありますが、理想の家族像の一つでした。
●総合
☆5つ!家族愛をテーマにした作品の中でもずば抜けて素晴らしかった。
「何でもっと自分を大切にしてくれないの!?」という相手が大切だからこその憤りとか、「相手の幸せが私の幸せ」という感情がすごく良く表現出来てて、読み終わってから実家の家族に会いたくて仕方ないです。
というか、これはラノベのメインターゲット層の中高生よりも、一人暮らしの20〜30代くらいの人の方が絶対受けますよね。
いやぁ、家族って大事ですね。良い作品に出会えました。