ミニチュア緒花には毒がある。

 

ミニチュア緒花は毒がある。 (電撃文庫)

ミニチュア緒花は毒がある。 (電撃文庫)

 

 

【取扱注意!!】この少女の毒舌は中毒になる。
――魂込めて恋に落とせ、舌戦ラブコメ!!
とある事件で友達ゼロの俺が入部させられたのは、変人の巣窟「きょうがく部」。こんな部にいたら、さらに友達作りとは無縁になる、と焦る俺だったが――
「好きです、俺と付き合ってください」
「い、いい、いきなりなに言ってんの、会ってすぐ発情とかあんた下半身に脳みそついてるわけ――!?」
目つきも言葉も凶悪な、毒舌美少女、“ミニチュア毒花”こと毒嶋緒花と出会った瞬間、俺は雷に撃たれていた。
愛のささやきVS罵詈雑言。照れさせるか、心をへし折るか――。これは、一目惚れした毒舌少女を、全身全霊をかけて、照れさせ、恋に落とす戦いの記録である。

 

拙者、強気の女の子が恥ずかしがるの大好き侍で候

 

ヒロインの可愛い仕草は人の趣向の数ほどあれど、強気ツンツン娘が照れてるのは確実にTOPクラスだと確信している…!

メッチャ語彙豊富な毒舌で捲し立てて相手を精神的に殺すような強気娘を、その毒舌すらその娘の魅力として取り込んで愛の言葉に変えて褒め殺して照れさせろ!

とにかく強気なヒロインが照れている姿が見たい!という一点集中で殴りかかってくるこの作品。作者!わかっておるな!

 

もちろんチョロインなんかじゃなくて毎回別角度から口撃するんだけど、アンデットに毒攻撃するように、寧ろその攻撃分上乗せしてカウンターブチかます系主人公なのが良い。

お陰でマンネリすることなく、ゆっくりヒロインの防御を剥がして魅力が露呈していくのにワクワクする!

いつの間にか「あ、ワシこのヒロイン好き…!」ってなってましたわ。

というかこの一見作中一の常識主人公、きょうがく部という変人集団に入れてヤレヤレって話なのに、よくよく考えてみたら一番変態。体力お化けヒロインには全うに構ってるし、潔癖捻くれ眼鏡は体良く利用してるし。ヒロインに対する反応が変態性が滲み出ててやヴぁい。

 

とまぁ、ヒロインカワイイ!に収まらないのがこの作者。

おいおい前半のイチャコラはどこ行ったんだ…と打って変わってシリアスはしっかりシリアス。

結構な胸糞展開で一気に沈みはしますが、単発のとりあえず起承転結のために入れられるような雑シリアスではなく「克服して、前に進む」というサブテーマの通り問題の昇華と一緒にキャラの関係性が深まった感は良かった。

ただ例のキャラが加入したのは意外だったなぁ。加入するにしても、もうひと悶着あるものかと思った。

これもまた次回以降に一波乱あるのかしら。

 

ヒロインが兎に角カワイイ!のですがちゃんとお話として面白かった!

ありそうで中々無かった属性のラブコメでしたねぇ。

次巻も期待。