コピーフェイスとカウンターガール
- 作者: 仮名堂アレ(かめいどう・あれ),博
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/08/20
- メディア: 文庫
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第二回小学館ライトノベル大賞・佳作受賞作!
つい最近までこの本は学園異能モノだと思って手を出していませんでした・・・
名前を聞いたときは、コピーフェイスとカウンターガールってのが戦うん?みたいに思ってましたw
SHI-NOさんの彼誰と黄昏を彷徨い揺蕩うものを覘いてみたところ、恋愛ものだということが分かり、購入を決定。
うん、予想以上にピュアな恋愛でしたな〜
かつて早川早苗に振り回されていた平良良平。そして一年後に現れた姉にそっくりな妹の早苗。この二人の会話はちょっと変ではありますが、不思議と和んでしまう雰囲気があるんですよね。
「せ、先輩は早苗先輩に決まっているじゃないですか」
「決めつけないでください。私は早川早苗ではありません」
「ま、またまたそうやって煙に巻こうとして」
「わたしは煙草は吸いませんよ」
「僕だって吸わないですよ」
どうです?このユルユル感?ちょっとボケた感じが私的にはウケました。
他にも普通から一歩ズレた会話はたくさんあって面白かったです。
キャラクターに関しては、
平良良平はよくいる平凡な主人公っぽいですが、ちょっと抜けている割に重要な場面ではしっかり男を見せてくれるなど、意外とアグレッシブなところもあり、そういう意味では結構変わった主人公ですね。
早川早希も姉とは正反対の冷静な性格をしてますが、人懐っこいところもあって可愛かったですね。セリフの一部にちょっとツッコミを入れさせてもらえば、蜘蛛は生物学上昆虫ではない、であって虫だと思います。
そして、この物語の主軸ともいえるコピーフェイスなのですが、面白いことをしてくれますね〜
中盤まで普通の学園恋愛モノで珍しいものは特になかったのですが、この設定は新鮮でした。
本来ならこの設定はミステリとかそういうジャンルで扱われるものなのでしょうが、そこをあえて恋愛モノに使おうと思いついた作者はすごいですね。
若干、良平と早希の初天体観測や買出し(デートとも言う)の初々しい雰囲気からの急展開に置いてけぼりをくらいそうになりましたが、ああいったミステリ的な展開は意外性抜群ですね。
これ程展開予測の難しい恋愛モノはなかなかないですよ。
全体的に言えば、コピーフェイス関連での多少のゴチャゴチャ感と締めくくりの部分が急いだ感がありましたが、新鮮な設定と恋愛模様が面白く、十分楽しめる作品でした。