異世界ですが魔物栽培しています。
宅急便で植物図鑑を受け取ったキョウが、部屋に戻るとそこは異世界でした。
チート能力もなく食べるものに困った彼がそこでとった最終手段は、魔物を栽培して食べること!そして、すくすく育ったジャック・オー・ランタンには守ると宣言され、稀少なマンドラゴラには懐かれてワイバーンの孵化にも成功。
いつしか周囲が魔物で溢れかえったキョウは、世界を救った勇者にも狙われるようになってしまい…!?
世界を揺るがす波乱の異世界ファンタジー!!
料理は素材×調理だよ兄貴!
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異世界転移したけど兎にも角にも自給自足だ!
奇妙な植物(魔物)を育てて食べて可愛がる農業ファンタジーライフ。
料理は素材×調理。これをホントに言いたい。
この作品、素材に関してはとてもとても良いと思うんです。
主人公キョウが転移した世界では、野菜はモンスターであり、狩って手に入れるものであり、人間が栽培することはできない。ところがキョウにはそれが出来てしまい、農業で文字通り食っていく。
育てていく植物(魔物)の中には人間とコミュニケーションとれる魔物もいて、キョウはジャック・オー・ランタンやマンドラゴラ、蚕のモンスター(?)と打ち解けて一緒に生活する。さらには植物だけでなくワイバーンやバジリスクなどもペットや家畜として飼い始め、キョウの家族はどんどん増えていく。
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発想はとても面白い・・・っが!調理がダメ!せっかくの農業ライフなのに、肝心の農作業の描写が耕して肥料と水撒くだけ…!圧倒的描写不足!
しかもしかも、野菜(モンスター)を使った料理も結局料理描写は殆ど無いし、食事シーンや料理の味の解説も薄い…!
なぜそこを省いた…!?そこが作品の持ち味で魅せ場でしょうに…。
途中、マンドラゴラは中々芽が出ず、育てるのにとても手がかかった!でもその分愛着もすごく湧いている!と言っているんですが、そこ!そこが読みたいんですよ!
芽が出るのが遅くて一時期失敗したかと諦めかけた、いろんな肥料を試したりして、成熟したときはマジで嬉しかった!・・・その部分をもっと読みたいんです。そうすればもっとマンドラゴラ(ドラちゃん)にも愛着が湧くし、主人公に感情移入できるのに…。
イラストからは圧倒的なマスコット感を出している蚕モンスターのカイコロモチや、ワイバーン、そして途中から加わるミナやフィティスも、居るんだかいないんだかわからない位、話に加わってこないし掘り下げも少ないからなぁ。
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でも世界観とかモンスターの設定やらは擁護とかではなく本当に面白いんです。
ただ、それだけに描写不足やストーリー展開の早さが残念。
正直、力の入れどころを定めてじっくり細かくやればかなり面白い作品になったと思う。描写不足もですが、元のストーリーラインが決まっているとはいえ、この1巻で4冊くらい話が作れそうなほど展開が早いのがなぁ。
素材はイイ、ただ調理がもっと上手ければと思わざるを得ない作品でした。