俺を好きなのはお前だけかよ

 

俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)
 

 

ここで質問。もし、気になる子からデートに誘われたらどうする? しかもお相手は一人じゃない。クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼馴染み・ひまわりという二大美少女!! 意気揚々と待ち合わせ場所に向かうよね。そして告げられた『想い』とは! ……親友との『恋愛相談』かぁハハハ。
……やめだ! やめやめ! 『鈍感系無害キャラ』という偽りの姿から、つい本来の俺に戻ったね。でもここで俺は腐ったりなんかしない。なぜなら、恋愛相談に真摯に向き合い二人の信頼を勝ち取れば、俺のことを好きになってくれるかもしれないからな! ん? 誰が小物感ハンパないって?
そんな俺の哀しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。パンジーこと三色院菫子。三つ編みメガネな陰気なヤツ。まぁなんというか、俺はコイツが嫌いです。だって俺にだけ超毒舌で、いつも俺を困らせて楽しんでいるからね。だから、コイツとは関わりたくないってわけ。
なのに……俺を好きなのはお前だけかよ

 

これすごいわ…

 

拗らせ系なふつーのラブコメかと思ってたけど、こりゃ金賞も納得ですわ。

序盤、中盤、後半ごとに雰囲気、キャラの印象がゴロっと変わる。

良い意味で騙された。こいつわヤベェ。

出来ることなら頭を真っ新にして読み始めることを推奨。

 

 

「ヒロイン(?)二人、別ベクトルの属性で結構イイやん?けど主人公がイケ好かねぇー!」と思ってたら

「主人公、案外良いヤツやん、そんでもってヒロイン二人クソだわ…。」ってなって

「親友…キサマ…。」になって最後は

「ファッ!?真ヒロイン、お、お前ッ!?」

以上、個人的ストーリー展開の反応。

いや何言ってんのかと思われるかもしれないけど、ラブコメとは思えないジェットコースター展開でびっくり。

最後まで読んで思い返すと、自分が如何に作者の思惑に良い様に手玉に取られて振り回されてしまったのかがわかる…。くやしいっ!でも面白いっ!(ビクンビクン!)

 

そう、ラブコメなんだけど起承転結キッチリでどんでん返しがあったりとか、ラブコメぽくない展開の仕方なのよ。

しかもそれが合わないどころかバッチリあってて、読了感が「すごい・・・(小並感)」しか出てこんかったわ。

 

まさか推理モノでいう犯行の解説パートがあるとは思いもよらなんだ…。

 

内容について書くとどうしてもチープに感じる…。

公式あらすじの通りと言えばそうなんだけど、それを劇的に魅せる作者の技量よ…。

変化球に見えて割と抑える部分は王道で絞める、ホントにすごい面白かった…。