幼い女神(アマテラス)はかく語りき

 

幼い女神はかく語りき (講談社ラノベ文庫)

幼い女神はかく語りき (講談社ラノベ文庫)

 

 

現代の日本、燈京(トーキョー)――アメリカから訪れたインタビュアーを前に、幼い女神はかく語る。「それじゃあ、彼の話をしましょう――」

時は古代、空白の四世紀――未だ神話が綴られる神秘と幻想の時代。

この国のはじまりを築いた、はじまりの《士(サムライ)》の話。

――邪馬台の侵略、異国の神々、異形のモノノケ、《化外》の民。

真人と常夜。ただの人間だった少年と、無力な女神だった少女との出会いが、最新にして最古の誓約を結び奉る――!!

 

褐色+ロリBBA+丁寧語+鬼(つおい)でベタ惚れのデレデレという最強の凶器でブン殴られた…。

(俺いっつもヒロインカワイイっていってんな…)

 

久々に和風ファンタジーラノベ読んだ気がする。

まだ統一されていない古代日本が舞台、邪馬台(ヤマト)に故郷を追われ人外の鬼(マウラ)たちに助力を求める神、常夜。

そこに割って入る何か超強い自称まっとうな人間、真人たちの建国記?になるのかな。

 

始めは戦記モノになるのかと思ったけど、1巻で使える兵というか人員がいないしおそらく戦略という概念が無い。

大将同士の一騎打ち、力のぶつかり合い大好きな脳筋肉しかいねぇ!でも意地と情熱と信念でぶつかる戦闘は嫌いじゃないわ!

 

キャラそれぞれの信念と関係性がとてもイイ。

人が好きで、人のために生きる神、常夜(キャラ的にクロワのマリーがチラつく…)。人間は強いと信じ、自身でそれを証明する強さを持った真人。人以上の強さを持ち、弱肉強食を地に、強い者を好く鬼、マウラ。

それぞれに信念を持ってて最初こそぶつかり合う関係だったのが、お互いのことを理解し認め始めてからがとても面白い。

人は弱く、自分が守らなければと身を削るも、庇護下の人間の未来が衰退に進むことに憂う常夜に、人は強い、自分がその証明だといいつつ、神を信望して強くなろうとしない他の人に苛立ちを覚える真人。

そんでもってマウラがすっげぇイイ…。

自分をタイマンで打ち負かした真人に心底惚れ込み、彼のため、彼の信念のためにも自信の全てを捧げるかの如くの献身する姿に、読んでるこっちが惚れました。

 

イラストレーターの夕薙さんがまた素晴らしい仕事なんだよなぁ~。カラー挿絵のとこも良いんですが、233Pの挿絵の暴れるマウラとか、345Pの常夜の表情と白黒の使い方とかとても好き。

ここまで惹きつけられるイラストは久しぶりだなぁ。

というかゲーマーズの特典イラスト欲しい…!買ってから気付いた…。とても悲しい。

 

1巻まるまる序章みたいなので、これからがとても気になる。

トーリーそのものはド王道なんだけど、細かいネタとかキャラが素晴らしい作品でした。