出会ってひと突きで絶頂除霊!

 

出会ってひと突きで絶頂除霊! (ガガガ文庫)

出会ってひと突きで絶頂除霊! (ガガガ文庫)

 

 ―絶頂除霊。それは突いた相手を生者死者問わず絶頂させ、もののついでみたいに昇天させる猥褻能力。絶頂除霊などという呪われた能力を宿した少年・古屋晴久は、同じような呪いの眼―淫魔眼を持つ少女・宗谷美咲に出会ってしまう。その眼によって弱みを握られた晴久は、半ば強制的に退魔師史上最低最悪なチームを組むことに。初めてのまともなお仕事は、怪異「乳避け女」との大活劇。今宵も街には嬌声が響き渡る。それは紛れもなく、昇天の証明。ポンコツ退魔師たちが卑猥な能力で大活躍?ちょっぴりエッチな退魔活劇!!

 

く、くやしい!けど面白いっ!(ビクンビクン)

 

 

いやー酷い酷い。酷く笑わされましたわ…。

下セカの作者だし、このタイトルだから覚悟してたけど爆笑もんでしたわ。しかも普通に完成度が高いのが余計にタチが悪い。

ぶっちゃけ一発ネタみたいな内容だと思ってたのに、なんだかんだ言って主人公かっこいいし、ラブコメパートできゅんきゅんさせられるし、バトル…バトル?も面白いんだから卑怯ですわ。

下ネタ無ければ、ちょっと前に流行った凸凹パーティの学園異能バトルモノみたい。

 

誰かが助けなければ。

遠くへ散らばっていった獲物たちを気に取られているせいで足元がお留守になっている鬼女のほうへと舞い戻る。

走りながら、両手のブレスレットを手から外す。

銀の十字架が光沢を失って俺の手首から離れた、その瞬間。

―じわり。

粘度の高い熱が、両手に染み渡る感覚。

それと同時に、両目にもかすかな違和感が生まれる。

(頼む、俺の手の届く範囲にあってくれよ)

祈りながら鬼女の全身に視線を巡らせる。

そして、

「・・・見つけた」

 

ここなんか、ピンチのヒロインを助けるために封印されし力を開放する主人公、みたいな王道パターンかと思いきや

 

怪しく光る鬼女のくるぶしめがけ、ヘッドスライディングの要領で飛び込みながら、ツボを突くように右手の中指と薬指を突き立てる!

『ーーっっ』

鬼女の拳が俺の身体を押しつぶすその直前、鬼女の動きがぴたりと止まった。

くるぶしから小刻みな震えが発生し、その震えは数瞬ののちに全身へ広がっていく。

そして、

 

『んほおおおおおおおおおおおおっ!?』

 

死者・生者を問わず、一突きで相手を絶頂させ、除霊させる能力

絶頂除霊ーテクノブレイカーー

(いや、テクノブレイクは自分が死ぬヤツやん…。)

ここまで酷い異能はパンツブレイカー以来ですわ…。

 

酷い能力を持っているのは主人公だけに非ず…。

男女を問わず相手を見るだけで、相手の性情報(性癖、経験人数、回数etc...)を視認することができるヒロイン、超強力な捕縛術(可愛い女性限定)が使える仲間(女)。

アクアめぐみんダクネス以上にやべー奴ら…。なのに、学園異能として普通に面白いし、展開的には熱い。

ラストとか、仲間が協力して超強力な敵に立ち向かうって内容に間違いは無いし、主人公の能力が覚醒!みたいな熱い展開なんだけど、怪異も怪異でアレだし、覚醒した能力が爆笑必至。

なんで事件解決後「イイハナシダナー」みたいなオチになってんだw

 

ホントに悔しいんだけど、こんな下ネタたっぷりなクセしてラブコメパートがツボでした。

メインヒロインの宗谷やクール系年上幼馴染ヒロイン葛乃葉の他、後輩の情報屋太刀川や次回からメインに昇格するであろう南雲と、1巻にして中々いいキャラが多い。(烏丸はヒロインとして扱っていいのかなぁ…?)

途中から勘のいい方は直ぐ気が付くと思うんですが、あのヒロインは理解して読むとニヤニヤがやべぇ。

 

こんなタイトルですが、思いっきり笑ったしにやにやできたし、バトルに燃えることが出来ました。

タイトルで損してるというより、編集部はよくGOを出したよ…。しかも読み終わって冷静に表紙みたら完全にAVパッケージのパロやんけ!なんでヒロインの名前が表紙に出てんのかと思ったわ…。

 

下手な学園異能よりも余程面白い異作中の異作。

騙されたと思って読んでほしい…。