弱キャラ友崎くんLV.7

 

  

弱キャラ友崎くん Lv.7 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.7 (ガガガ文庫)

 

 

そして、舞台の幕が上がる。
掛けられた言葉。誠実の意味。向き合った、彼女の気持ち。
俺をとりまく環境の変化は劇的で。
けれど、そんなことはお構いなしに時間は進んでいく。
文化祭の準備もいよいよ佳境。
演劇の練習が、ついに始まった。
登場人物と演者のイメージを近づけるため、俺と菊池さんは「日南の過去」を取材することになるのだが……?
俺の、俺たちの―――。
一度きりの文化祭が、幕を開ける。

 

友崎くんの成長具合が半端ねぇ…。

今回はある意味『第一部完!』というべき展開。その区切りに「理想と感情」という作品のテーマがこれでもかと明確化されてて惹き込まれた…。

周囲から期待された役割的な意味での「理想」と、自分はこう在りたいという「感情」に悩むキャラ達。

これぞ青春、これぞ思春期。

その悩みは苦しいし、辛いよねぇ。でも目を背けないで自分の在り方を探そうとするのはその時分にしかできない貴重な体験だし、とても綺麗。

 

求められる「理想」は確かに重要なんだけど、結局は自分の意思「感情」が原動力だから、どっちかだけではダメなんだよね。「理想」だけで「感情」を殺し過ぎると自分で歩く力が養われなくなっちゃう。逆も歩き方がわからず暴走してしまうだけ。

この話はリアルで大事。10代半ばにどれだけここで悩むかで今後の人生が変わる。

 

閑話休題

ホントに1巻のころからは考えられない程、友崎くんの進化っぷりがすごい。

振る舞いやスキルによって戦い方を理解したとはいえ、本当に大切なことを見失わず動くべきときに動いて決めるべきときに決断できるのが彼の魅力だと思う。

みみみも菊池さんも他の現在進行形で悩んでいるキャラ達からしてみれば、そこから前に進むと決めて歩き出した友崎くんが眩しく見えるのも納得。

変わる、というよりも歩き出して進んだ結果の姿というのがぴったり。

 

オチというか、友崎くんが選んだ人については意外性はなかったんだけど、みみみと菊池さんの行動がとても心に刺さる…。

選ばれた娘、選ばれなかった娘どっちも良い娘で・・・。修羅場好きなワシでもこの二人の修羅場は見とうないな。(でもちょっとこの二人の接触はもっと増えてほしい)

どっちもすごい良い娘だからどっちも幸せになって欲しいって思えるのは良作ってばっちゃが言ってた

肝心のラスボスさんの情報集めも同時進行でしたけど、こっちは不穏な気配しかしない…。前巻の過去編もだけどこの人だけ拗れ具合が半端なくないっすか…?

ラスボスさん、実は一番根っこがめんどくさそうで、それはそれで好き。

 

正直ここまでスッキリと話が進むとは思ってなかった。もっと拗れると思ってた。

けどなんとなーくここからが問題な気がするんだよなぁ。

トラブルの種とか問題があまりないのが逆に心配というか。

第二部がどうなるのか、心配しつつも楽しみです。